ホンダF1のテクニカルディレクターを務める田辺豊治が、F1ポルトガルGPの週末を振り返った。F1ポルトガルGPでは、予選でマックス・フェルスタッペンが3番手、セルジオ・ペレスが4番手とメルセデスの2台の後塵を拝した。しかし、決勝ではマックス・フェルスタッペンがバルテリ・ボッタスを抜いて2位でフィニッシュ。ダメージを最小限に抑えた。
F1ポルトガルGPの週末について田辺豊治は「昨年は新しい舗装による路面の影響がどの程度かという様子見で始まりましたが、今回もあまりグリップが上がらないという状況のままでした。また、午後になると風が強くなることで影響がありました。そのコンディションのなかで、マシンのパフォーマンスも加わって難しい3日間でした」と語る。「ホンダのPUとしては金曜日と土曜日はスムーズでしたし、今日のレースでも4台完走でトラブルなく終えることができました。昨日、予選でポールを逃した結果、メルセデスがワンツーになってしまいましたが、序盤から2台に絡み、最終的にメルセデスの2台に割って入ることができました。こうした拮抗した戦闘力の中で2位という結果は、この先長いシーズンを考えと最善の結果であり、このサーキットでの我々の戦闘力を考えるといい結果だったと思います」「戦闘力が近いこともありますが、4台ともに予選がレースの結果に影響してきています。予選が重要になり、そこで戦闘力を発揮しするという、あたり前のことですが、それがうまく回るようにチームと一緒に準備をしていきます」「去年のこのレースでは予選でコンマ数秒、決勝では30秒程度の差をつけられましたが、今年は最後にファステストラップを取りにいったので30秒程度の差になってはいますが、それがなければ5秒程度の差であったことを考えれば、大きな改善になっていると思います。しかし、依然として差はあるので、それを詰めていきたいです」「昨年のレースでも、すべてがうまくいき、予選でメルセデスの前にいけると戦えていました。今年はより『勝つ』ということを考えれば、本当に予選のちょっとした差が重要になってきます。また、アルファタウリは中段勢の拮抗した戦いの中、コースの特異不得意はあると思いますが、レース中パスするのが難しい。そういった意味で、予選が重要ですし、前に出て、ミスなく性能を最大限引き出してレースを完走することが重要です」次戦にスペインGPは連戦となる。バルセロナはこれまでプレシーズンテストで走り込んできたベンチーマークとなるサーキットだ。「通常、バルセロナはプレシーズンテストが行なわれるサーキットであり、年間の戦闘力を占えるようなベンチマーク的なサーキットです」と田辺豊治は語る。「第1戦から第3戦までの結果と、そして、バルセロナで、リファレンスとしてどうなのかが見えてくると思っています」「各チームがいろいろな解析を加えて、データがたくさんあるバルセロナに乗り込んでくることになります。過去のデータ、今年ここまで使ってきたデータをレビューして、パフォーマンスを最大限に引き出す準備をしていきます。チームとPUの使い方、具体的にはエネルギーマネジメントをシミュレーションして次戦にむかいたいと思っています」「基本的に来週の日曜日なので、短い期間ですが、以前から進めてきた準備に今回の結果も加味して臨みます。我々としてはこの勢いを維持して、それをもう1歩前に進めるレースにしたいと思っています」