ホンダF1のテクニカルディレクターを務める田辺豊治が、2020年のF1世界選手権 最終戦 F1アブダビGPの決勝を振り返った。最終戦F1アブダビGPの決勝で、マックス・フェルスタッペンがポール・トゥ・ウインで完勝を収め、Hondaパワーユニット勢は3台が入賞を果たしてシーズンを締めくくりった。
2020年シーズンを終え、ホンダのF1パワーユニットとしては2019年と同じ3勝をマーク。昨年の勝利はすべてフェルスタッペンによるものだったが、今季はレッドブル・レーシングが2勝、アルファタウリ・ホンダが1勝を挙げ、これらを含む表彰台登壇は14回に上った。レッドブル・レーシングは2016年以来4年ぶりのコンストラクターズランキング2位を獲得し、アルファタウリ・ホンダはトロロッソとして参戦開始した2006年以来最大となるコンストラクターズポイントを獲得した。また、ホンダとしては4人のドライバーともにPUの使用をレギュレーション通りの年間3基以内に収めた。結果、一度もPU交換に関するペナルティを受けることなく、PUマニュファクチャラーの中では唯一のノーペナルティーでシーズンを終えた。「今日のシーズン最終戦、アブダビGP決勝は、アストンマーティン・レッドブル・レーシングのフェルスタッペン選手がポール・トゥ・ウインを飾り、ホンダとしてシーズン3勝目を挙げることができました」と田辺豊治はコメント。「フェルスタッペン選手は終始トップを譲らない力強い走りで、ライバルを寄せ付けずチェッカーフラッグを受け、最終戦を勝利で締めくくってくれました。チームメートのアルボン選手は、終盤前の車に迫る走りを見せたものの残念ながら4位、アルファタウリ・ホンダのガスリー選手は見事なオーバーテイクをいくつも見せて8位、クビアト選手はピットストップでポジションを大きく落としたことが響き、惜しくも入賞には一歩届かず11位という結果でしたが、ホンダとしていい形でシーズンを締めくくることができました」「コロナ禍の中、短期間かつ過密日程で戦うことになったシーズン全体を振り返ってみると、アストンマーティン・レッドブル・レーシングと一緒にチャンピオンシップ獲得を目標としてシーズンインを迎えたものの、結果としてはチャンピオンのメルセデスに大きく離されるという悔しい一年になりました。パッケージとしてさらなる進化を果たさなくてはいけないことを痛感している一方で、今日の勝利以外にも、F1の70周年記念レースでの勝利や、アルファタウリ・ホンダとの50戦記念レースでガスリー選手が初勝利を挙げるなど、記憶に残るレースができたと思っています」「また、シーズン3基の使用が許されているPUレギュレーションに沿う形で、ホンダ PUを搭載する4台すべてがPU交換によるペナルティーなしでシーズンを終えられたことは、過去に学び信頼性の向上を図れた結果だと思っています。コロナ禍によりさまざまなイレギュラーに対応し、厳しいシーズンを戦い抜いてくれたホンダ、レッドブル、アルファタウリのすべてのメンバーに、感謝の言葉を贈りたいと思います。そして、それを支えた家族、さらにはその活動を支えてくれた方々にも感謝いたします」「すでに発表されているように、来年はホンダにとってF1に参戦する最後の一年になります。チャンピオンシップ獲得を目指し、ファクトリーではさらなるパフォーマンスアップに向けて、チームとともに開発を懸命に続けていきます」「ここから短いオフシーズンに入りますが、さらに強くなって戻ってきたいと思います。みなさま、今シーズンも応援をいただき本当にありがとうございました。そして、来年もご声援をよろしくお願いいたします」