ホンダF1の山本雅史は、新型コロナウイルスの感染拡大が開幕戦オーストラリアGPの準備に影響を及ぼしていると認める。中国・武漢に端を発し、世界各国に広がる新型コロナウイルスは、世界的なイベントに大きな影響を与えており、F1も4月19日に開催予定だったF1中国GPの延期を決定している。
新型コロナウイルスの余波はF1エンジンサプライヤーであるホンダにも及んでいる。昨年まで、ホンダF1は開幕戦への移動前に英国ミルトン・キーンズのスタッフを栃木県さくらの開発拠点に集めてミーティングを行っていたが、今年はそれを取りやめた。「フライトを含め、リスクを最小限に抑えるための手配を始めています」とホンダF1のマネージングディレクターを務める山本雅史は AFPにコメント。「基本的に英国に駐在しているスタッフで戦い、どうしても必要な日本のスタッフは今から英国に渡航し、そこから直接、オーストラリアへ飛んでもらう方向で動き出しています」マクラーレンは、過去2週間に中国を訪れた場合、バルセロナでの1回目のプレシーズンテストで施設に入ることを禁止している。4月5日に初開催が予定されているF1ベトナムGPも開催の危機に立たされている。ベトナムのグエン・スアン・フック首相は2月25日(火)、韓国、日本、イタリア、イランおよび“新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の症例が報告されている他のすべての国および地域”からの訪問者の入国拒否に関する指示書を公布した。ホンダがF1エンジンを供給するアルファタウリ、フェラーリ、ピレリなどの多くの人員がベトナムに入国することができず、当然、日本のホンダのスタッフにも影響が出る。フェラーリは、すでに対策を進めており、新型コロナウイルスの影響を最も受けたイタリアの地域に居住、もしくはその場所を訪れた従業員に対してファクトリーへの制限を設け、重要ではないビジナス会議、ファクトリーツアも中断されている。また、3月のF1オーストラリアGPで2020年のF1世界選手権がスタートする際、遠隔地での作業と渡航の制限を真剣に検討しているとされている。中国、ベトナムだけでなく、開幕戦の舞台オーストラリアも日本からの入国を拒否する可能性があり、グランプリの開催自体も懸念されている。