ホンダ NSX GT3を駆ってスパ24時間レース(7月26~29日)に参戦するCastrol Honda Racingは、リカルド・パトレーゼ(64歳、イタリア)とロイック・デパイユ(45歳、フランス)の起用を発表した。すでに、プロフェッショナルドライバーの枠としてエステバン・グエリエリ(33歳、アルゼンチン)とベルトラン・バゲット(32歳、ベルギー)の起用が発表されていたが、リカルド・パトレーゼとロイック・デパイユの加入でラインアップが確定した。
今大会、NSX GT3は「Pro-Am」カテゴリーにエントリーしており、FIAの規定によりプロドライバーでない、「ブロンズ」クラスと認定された選手を最低2名起用しなければならない。現在64歳のリカルド・パトレーゼは、年齢要件によりブロンズクラスに認定。その経験は豊富で、17年間にわたって世界最高峰の舞台で活躍し、F1世界選手権と世界スポーツカー選手権の両方で優勝経験を持つドライバーだ。F1では、史上初めて200グランプリ参戦を達成。6勝を挙げて通算37回の表彰台登壇を果たし、1992年にはランキング2位を記録している。そしてスポーツカーレースでは、1985年にスパ1000㎞で優勝を果たしている。ロイック・デパイユは、フランスの「Top Gear Magazine」共同編集長を務め、同国の自動車ジャーナリストの中でも尊敬を集める一人だ。F1優勝経験のあるパトリック・デパイユを父に持ち、1990年代にはフォーミュラ・ルノーにフル参戦。その後、FIAスポーツカーカップや米国のグランダムに参戦し、数多くの入賞を果たしている。近年は、仕事の合間を縫い、フランスのGTレースやクリオカップ、ル・マン・クラシックといったレースに出場している。リカルド・パトレーゼ、ロイック・デパイユはともに先月イタリア北部のチェルヴェジーナでNSX GT3をドライブしており、今週スパで行われる公式テストにも参加し、マシンの習熟を深める予定だ。NSX GT3は、2016年にレースデビュー。北米で開催されるIMSA Weather Techスポーツカー選手権やピレリ・ワールドチャレンジで勝利を挙げている。NSX GT3カスタマー・レーシング・プログラムでは、HondaとJAS Motorsport、米国のHonda Performance Development (HPD)が協力し、欧州、アジア、北米のレースへNSX GT3を送り出している。リカルド・パトレーゼ「スパ・フランコルシャンは、長い間私の好きなサーキットの一つですが、最後にレースで走ったのは25年前ですから、今回、Castrol Honda RacingでNSX GT3のようなエキサイティングなマシンを走らせないかと声をかけてもらったときには、ノーという選択肢はありませんでした。マシンのハンドリングはとてもよく、高速セクションもスローコーナーでもすばらしい走りができます。まだそれほど乗り込んではいないので、周回ごとに学習を重ねている状態ですが、チームに加わってマシンを走らせ、レースの雰囲気を味わえることにわくわくしています」ロイック・デパイユ「スパ24時間レースに初めて参戦することになり、それがNSXというマシンだなんて、とてもドキドキしています。今回のスパのエントリーリストにレベルの高いマシンが数多く集まっていることから分かるように、現代はGTレースの歴史上で最も争いの激しい時代かもしれません。Pro-Amカテゴリーでは、力強いドライバー、チームととともに戦えるので、そこで全力を尽くします。エステバンは今年の初めからマシンをテストしていますし、ベルトランはSUPER GT最速ドライバーの一人、さらにリカルドは豊富な経験を持っています。彼らから多くのことを学べると思いますし、このマシンで自分の新たな限界に向けてプッシュできるはずです」アレッサンドロ・マリアーニ|JAS Motorsport CEO「スパ24時間に向けて、すばらしいラインアップを発表することができました。ベルトランとエステバンは最高のプロフェッショナルですが、Pro-Amカテゴリーで参戦するにあたって、チームに貢献してくれるブロンズクラスのドライバーをだれに託すのかというのは、大きな決断でした。リカルドはF1やスポーツカーシリーズで何千ラップとスパを走った経験があり、またロイックは数々のシリーズに参加して腕を磨いたドライバーなので、チームにとって大きな戦力となることを期待しています」