ホンダのモータースポーツ部長を務める山本雅史は、F1復帰後のマクラーレンとの3年間でF1というものを学ぶことができたおかげで今年トロロッソと最初から良いパートナーシップを開始することができ、レッドブル・レーシングと勝利を目指すと言う次のステップへ進むための準備を整えることができたとし、マクラーレンに感謝していると語った。
2015年にF1に復帰したホンダは、マクラーレンと苦しい3年間を戦ってきた。ハイブリッド時代に他のメーカーよりも1年遅れで参入したことで、パフォーマンスだけでなく、あらゆる部分で遅れをとっており、そこに信頼性トラブルも多発した。それでもマクラーレンを批判することなく大幅な進歩を遂げてきたホンダに対し、マクラーレンは辛辣な言葉を投げかけて、10年とされた契約を3年で解消し、今年からルノーにパワーユニットを変更。だが、レッドブルがレースに勝っているルノーのエンジンで低調なパフォーマンスを繰り返しているマクラーレンにはファンからの非難が集中している。一方、ホンダはレッドブルの姉妹チームのトロロッソという恵まれた環境でパフォーマンスと信頼性において着実な進歩を示しており、来季からはレッドブル・レーシングにもパワーユニットを供給することが決定した。ホンダは、2018年の開幕までにスペック1を完成させ、改善を示した。そして、第7戦カナダGPでは予定通りにスペック2を投入。ルノーとの差はほぼないとみられるくらいに前進を果たした。それでも信頼性面ではまだトラブルが発生している。カナダではピエール・ガスリー、フランスではブレンドン・ハートレーの新スペックのパワーユニットが故障。現段階ではそれらは別の問題だとホンダは述べている。今季はシーズンあたりのエンジン使用数が3基に制限されており、次のアップグレードはシーズン後半の緒戦となるF1ベルギーGPで投入するとみられている。ホンダもそこをターゲットにしている。そして、その後は来年からF1パワーユニットを供給するレッドブル・レーシングとの勝利を目指し、2019年型のパワーユニットの開発を全力で推し進めていく。「ホンダのレース技術研究本部に関しては、もちろんスペック3の詳細に取り組んでいくつもりです」とホンダのモータースポーツ部長を務める山本雅史はコメント。「ですが、同時に来年のスペックに関しても非常に集中していく予定です。今年のスペックはだいたい全て決定されているので、今年の後半からは来年のスペックの開発にかなり集中していくことになります。ですが、他のメーカーもすべて来年のエンジンに集中するでしょうね」ホンダとの3年間で起こったことを考えれば、レッドブルのようなトップチームを第2のチームとして引き受けることは大胆な動きのように見えるが、山本雅史は心配はしていないようだ。ホンダにとってマクラーレンとの3年間は貴重なものであり、おかげで今は次のステップ、レッドブルと勝利を目指すための準備ができたと山本雅史は語る。「ホンダが復帰してからのマクラーレンとの最初の3年間は非常に重要でした。学習の3年間でしたし、前回からF1に復帰するまでの間に我々が失ったことを学ぶことができましたからね」と山本雅史はコメント。「我々はその3年間にとても感謝しています。その後、今年トロロッソと組んだときには本当に最初からとても美しく、非常に良いコラボレーションであることがわかりましたし、我々は次のステップへの準備ができていました」「我々の次のステップとはレースに勝つことです。レースに勝つために我々はレッドブルと一緒になりましたし、それは正しい選択です」