ホンダF1は、カナダGPで投入するF1エンジンアップグレードについて慎重にアプローチしていきたいとしている。来週末のF1カナダGPは、パワーセンシティブなジル・ヴィルヌーヴ・サーキットで開催され、7戦目という論理的なタイミングでもあることから、ホンダは今シーズン初のパフォーマンスアップデートを導入するとされている。
だが、ホンダのF1パワーユニットは、開幕戦オーストラリアGPでピエール・ガスリーのMGU-Hにトラブルが発生し、両方のドライバーは第2戦バーレーンGPで2基目のMGU-Hとターボチャージャーを投入。ピエール・ガスリーに関しては内燃エンジンにもダメージが及んでたため、2基目のエンジンを投入している。つまり、ピエール・ガスリーは2基目のエンジンでまだ5戦しか走っておらず、ブレンドン・ハートレーも第5戦スペインGPの最終プラクティスでクラッシュを喫したことでエンジンを交換。2基目のエンジンでまだそれほどマイレージを重ねていない。ホンダF1のテクニカルディレクターを務める田辺豊治は、ホンダとしては信頼性がまだ最優先事項であり、パフォーマンスに関しては一歩ずつ進めていきたいと語る。「これまでのところ、信頼性は安定しているように見えますが、パフォーマンスをあまりに激しくプッシュしすぎないよう注意する必要があると思います。バランスをとる必要があります」と田辺豊治はコメント。「我々にはやらなければならないことがたくさんあります。短期的なソリューションはそれほど多くなく、ほとんどが長期的なものです」「我々が何らかのものを開発し、それをエンジンに適用する場合には、信頼性テストをする必要があります」「パフォーマンスを改善させる小さなことであっても、我々には時間が必要です」マクラーレンとの3年間で厳しい批判を受けたホンダは、今シーズンのパフォーマンスについては公式に声明を述べることを避けようとしているようだ。だが、トロロッソ・ホンダのドライバーを務めるピエール・ガスリーは、ホンダのF1エンジンアップグレードに“本当に興奮している”と期待を隠さない。「ピエール・ガスリーは「コンピュータ上で正確にどのような違いが出るかわかるまで待つつもりだ」とコメント。「僕がF1で学んだのは、新しいパーツを搭載するまで様子を見た方がいいということだ。期待していたほどうまく機能しないときもあるからね」「でも、僕たちは正しい方向に進むだけだと思っている。実際、今回のアップグレードには本当に興奮しているよ」ピエール・ガスリーは、前戦F1モナコGPっで7位入賞を果たしており、トロロッソ・ホンダは開幕6戦中3戦でポイントを獲得。コンストラクターズ選手権でハースと同ポイントの7位につけている。トロロッソ・ホンダは、低速でエンジンが強調されるサーキットで特に強く、ホンダは2018年型パワーユニットの信頼性とエネルギー回生システムの運用に満足していると語る。「モナコで重要なポイントは低速域とオン・オフのスロットルアプリケーションでした」と田辺豊治はコメント。「それはエネルギーマネジメントを設定するための重要なパラメータのひとつです」「我々は、コーナーでのシャシーの挙動、そして、ドライバーが早めにアクセルを開けられるようにドライバビリティにかなり取り組んできました」「エンジンにとっては、信頼性、パワー、ドライバービリティが重要なポイントです」「もちろん、ラップタイムのためにはパワーは重要ですが、ドライバビリティも大きな影響を与えます」「我々のエンジニアは、スロットルアプリケーションの信頼度を高めるために常にチームとドライバーとコミニュケーションをとってます」関連:2018年 F1カナダGP テレビ放送時間&タイムスケジュール