ホンダは、F1アゼルバイジャンGPの金曜フリー走行でテストした“スペック3”エンジンが、バクーの市街地サーキットでコンマ2~3秒以上のパフォーマンス改善を届けたと考えている。ホンダは、F1アゼルバイジャンGP初日の2つのフリー走行でフェルナンド・アロンソのマシンでアップデート版F1エンジンを走らせた。
ホンダが“スペック3”と呼ぶ新型エンジンはデータ上でパフォーマンス改善を示していたが、フリー走行2回目のギアボックス故障の影響を確認するためにホンダは従来のスペックに戻した。調査の結果、エンジンは無傷であり、ペナルティなしでクルアに戻すことができたが、フェルナンド・アロンソはF1アゼルバイジャンGPの決勝で40グリッド降格ペナルティによって最後尾からスタートすることが決定しており、マイレージをセーブするためにも次戦オーストリアGPで改めて走らせることを選んだ。ホンダのF1プロジェクト総責任者を務める長谷川祐介は「内燃機関のアップグレートではパフォーに集中しました」と Autosport にコメント。「通常、パワーにどれくらいゲインがあったかは明らかにはしないのですが、このサーキットでは新型エンジンでコンマ2~3秒以上のゲインがありました」「信頼性の観点でICEに問題はありませんでしたし、今後はパフォーマンスとパワーに集中することができます」長谷川祐介は、コース上のデータはさくらの拠点でのダイナモの予測データにマッチしていており、改善には満足しているが、まだやらなければならないことはたくさんあると述べた。「ここでは実際のラップタイムのゲインは見られませんでしたが、クルマのパワー測定センサーではダイナモと同じ違いを確認できました」「ここにパフォーマンスアップグレードを持ち込めたことに満足しています。アップグレードは合理的ですが、他のエンジンメーカーに並ぶにはまだ十分ではありません。次のアップグレードにむけてその方向性を早める必要があります」フェルナンド・アロンソは、実行したプログラムではスペック3の改善を判断するのは難しいと述べ、データはゲインを示しているものの、それで十分なわけではないと強調した。「カナダから来て、FP1ではレース準備をやっていたし、通常の燃料量やデプロイメント、DRSのプログラムをやらんかったので言うのは難しい」とフェルナンド・アロンソはコメント。「僕たちはレース準備をしていたので、それら全てのことを使ってはいなかった」「僕たちはデータを信頼しているし、データはエンジンが少しパワーを届けていると言っている。それは歓迎だ。でも、まだ不足分はかなり大きいので、僕たちはその方向性で進み続ける必要がある」フェルナンド・アロンソは、次戦オーストリアGPで“スペック3”エンジンを使用する予定であり、ホンダはストフェル・バンドーンのために2基目のエンジンを準備できることを期待している。
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