ホンダF1チームの新たな買い手候補として、ヴァージン・グループの名が浮上した。ヴァージンは、リチャード・ブランソンが1970年代初めにヴァージンレコードを設立。1984年には映画会社、ゲーム、航空会社、その後はリゾート、航空機、ホテル、ラジオ局、出版社、コーラ、ウォッカ、鉄道、化粧品、携帯電話、インターネットアクセス、宇宙旅行などに多角化している。
2006年、ヴァージン・フュエルを設立し新燃料への進出を発表。自動車および航空機向け代替燃料に10億ドル(約920億円)を投資している。ホンダF1チームの買い手としても最も興味深い要素として、リチャード・ブランソンが以前にモーターレーシングに関心を表明したことがある点が挙げられる。1997年、リチャード・ブランソンは、タバコ広告が撤退すればヴァージンがイギリスGPに資金を提供するとしていた。また2000年には、ビジネス・パートナーのエイドリアン・レイナードのゲストとしてモナコに出席。当時、レイナードの会社はヴァージン・アトランティック航空の座席を設計。そして2002年には、ヴァージン・モバイルがエディ・ジョーダンと少額のスポンサーシップ契約を結んでいた。最も興味深いアイデアは、ブランソンがこの買収によって設立者兼株主となったチームに、レイナードを責任者として送り込む可能性であるということ。レイナードはチームのファクトリーが建てられている敷地を所有しており、さらに2棟のビルのうち1棟を所有していると見られている。ただしこれらのビルはチームにリースされている。レイナードとブランソンは長年の友人であり、レイナードは裕福な民間人に宇宙旅行を提供するとヴァージン・ギャラクティックの創設メンバーのひとりである。ちなみにヴァージン アトランティック航空は、佐藤琢磨をパートナーエアラインとして2004年より支援しており、2008年8月9日(土)に開催された佐藤琢磨公式ファンクラブイベント「Virgin Atlantic Takuma Club Karting」にも参加している。関連:ホンダ、ロス・ブラウンへのF1チーム売却を発表 - 2009年3月6日