ルイス・ハミルトンは、F1ベルギーGPスプリント予選でまさかのQ1敗退を喫し、土曜スプリントレースを18番手からスタートすることとなった。初回のアタックでミスを犯し、最終コーナーでスピンしたことでタイムを残せず、ショッキングな早期敗退となった。問題のスピンは、バスストップ・シケインで発生。原因がドライバーエラーによるものか、あるいはメカニカルトラブルによるものかは現時点では明らかになっていない。
ただし、今週末に新しいリアサスペンションを導入したばかりのフェラーリSF-25のリアが突然ロックし、ハミルトンはスピンしてランオフエリアへと飛び出した。スカイスポーツF1のインタビューに応じたハミルトンは、明らかに落胆した表情を見せ、スピンの原因について尋ねられると、ぶっきらぼうにこう答えた。「スピンした。それだけだ」スピンはリアのロックによるものであったことを認めたうえで、「キャリアで初めてだと思う」と語った。「良くない。ほんとに良くない。正直、言うことはあまりない」と短く語ったハミルトンは、「明日は新しい一日だ」と気持ちを切り替えようと努めた。「もちろん、本当にフラストレーションが溜まっている。ここまでたくさんの努力をしてきたのに、こういう結果になるのは残念だ」なお、チームメイトのシャルル・ルクレールは、マクラーレンのオスカー・ピアストリに0.768秒差の4番手に入っている。フェラーリの新型サスペンション、その効果は不透明フェラーリは今週末、期待を集めた新しいリアサスペンションを導入したが、ハミルトンとルクレールの両者は事前にその効果について慎重な姿勢を見せていた。2人は先週ムジェロで行われたフィルミングデーで短時間のみこのアップグレードを試しており、木曜のメディアデーでハミルトンは次のように述べていた。「正直、以前と変わらない感触だった。まずは明日(走行で)サスペンションを試して、そこから学びがあると思ってる。微調整を繰り返してパフォーマンスを引き出していく必要がある。シミュレーター上では違いはなかったけど、サーキットによっては効果があるかもしれない」「ポジティブなのは、開発が進んでいて、新しいパーツが用意されていること。それを見るだけでも希望を感じる」「バーレーンでアップグレードした後、次に新しいパーツが来たのはオーストリア。だから、ペース的には期待していたほどじゃなかった。他のチームを見ると、レッドブルもメルセデスも毎週のように小さなパーツを入れてくる。でも僕たちは、大きな変更をまとめて投入するスタイルだった」「今回のアップグレードも、こうした努力の結果だと思ってる。結果が出るまでには時間がかかるけど、確実に前に進んでいると思いたい」一方でルクレールも、今回の変更が劇的な変化をもたらすとは限らないと慎重な姿勢を崩していない。「これが決定的な変化になるかと言われたら、それは違うと思う。方向性としては正しいし、確かに前進はしている。でも、マクラーレンに対して僕たちが足りない0.3〜0.4秒の差を、どんなに優れたパーツをつけても一気に埋めることはできない」「でもこれは、その差を縮めていく要素の一つにはなるはず。それは確信してるし、ポジティブな一歩だとも思ってる。ただし、今回のアップグレードだけで流れが劇的に変わるとは思っていない」