ルイス・ハミルトンは、2025年にメルセデスを離れフェラーリに移籍することを決めた後、これまでのキャリアでおそらく最大の課題に直面すると元F1ドライバーでコメンテーター兼アナリストに転身したデビッド・クルサードは語る。クルサードは、ハミルトンがこの決断を成功させるためには、スクーデリア・フェラーリでチームメイトとなるシャルル・ルクレールの脅威を過小評価してはならないと語る。
「シャルルは若く、素晴らしく速いレースドライバーだ」とクルサードはFormula For Successの最新ポッドキャストに語った。「シャルルはシングルラップが最も速いドライバーの1人だと思う」「確かに、彼にはルイスのような世界選手権や経験はないが、私は彼は次のチャンピオンだと思う。ルイスが最大の試練に直面するのはそこかもしれない」クルサードは、ハミルトンが11年間ともに過ごしたメルセデスを去るという決断を下したことにショックを受けたとしながらも、この再編成がF1とハミルトンにとって良いものになることに同意している。「チームと一生を過ごせるわけではない。それが現実だ」とクルサードは指摘した。「チームと8年、9年、10年、あるいはルイスとメルセデスの関係ではもっと長いかもしれない」「しかし、それは常に「自分に合わなかったら』というケースだ。彼は去っていくだろう。逆に言えば、もしメルセデスが何らかの理由で彼がパフォーマンスを発揮していないと感じたとしたら、彼らは彼の名前を理由に彼をそこに留めておくと思うだろうか? ありえない」「彼がメルセデスと12歳のときから続いている勝利の関係を、たとえ良い条件であっても、事実上壊すことになるとは想像もしていなかった。とはいえ、F1にとっては非常にエキサイティングなことだと思う」「フェラーリにとっては、エンジニアを招聘するに関して大きな弾みとなるだろうし、信じられないようなドライバーを手に入れることができるということを人々は本当に理解している」「しかし、私は彼がシャルル・ルクレールという最大の難関を見つけることになると思う」クルサードは、ハミルトンとルクレールを比較することで、ミハエル・シューマッハとミカ・ハッキネンを思い浮かべるとし。シューマッハは一貫性で有名であり、ハッキネンは純粋な速さに関しては優れていたと語った。「ミカ・ハッキネンは1周で最も速いドライバーの1人だったと思う。1周ではミハエルよりも速かったと思う」とクルサードは説明した。「彼らは一緒に同じマシンに乗ったことがないので、それを証明することはできない」「ミハエルが卓越していたのは、予選ラップがどんなものであれ、それを60回繰り返すことができたことだ。人それぞれ意見はあるだろうが、私はシャルルが素晴らしいクオリファイアだと思う」「ルイスは素晴らしいレーシングドライバーだが、40歳になった彼が1周で速くなるとは思えない。。そして、その頃には、シャルルは全盛期を迎えているはずだ」クルサードは、メルセデスのボスがハミルトンの存在を当然視し、スタードライバーがライバルチームに引き抜かれないようにすることを怠っていたという指摘を否定した。「注意を怠らないと思う」とクルサードはヴォルフについて語った。「しかし、たとえ偉大なマネジャーであったとしても、彼の場合はオーナーであり、チーム代表であったとしても、誰かが去りたいと望めば、それを止めることはできない」クルサードは、ハミルトンの最近の契約を 「1プラス1」契約としたことが、ハミルトンに退団の機会を与えたと語った。「ルイスは、フェラーリが将来に向けて魔法のようなものを提供してくれると安心した時点で、契約を解除する、あるいは契約を継続しないという選択肢を選ぶことができたのだろう」「これは彼の引退プランだ。彼はフェラーリでキャリアを終えるつもりだ。これはレガシーのためであり、フェラーリでワールドチャンピオンを獲得するためだ」メルセデスの新車W15がコース上でのレッドブルとの差を縮めれば、ハミルトンがブラックリーを去る前にメルセデスで再びタイトルを獲得することも不可能ではない。「もしメルセデスが彼にレーシングカーを提供すれば、彼は今年メルセデスで8回目を獲得することも可能だ。8回目のチャンピオンといてフェラーリに移籍し、その後にフェラーリでさらにタイトルを狙うこともできる」しかし、フェルナンド・アロンソやセバスチャン・ベッテルといった他の元ワールドチャンピオンがそうであったように、ハミルトンのフェラーリへの夢の移籍がすぐに失敗に終わる可能性もある。「結婚届や契約書にサインするのは美しいことだ」とクルサードはコメント。「だが、結婚書類にサインしたその日に、離婚届が用意されている」