F1ワールドチャンピオンのルイス・ハミルトンは、他のF1ドライバーたちに片膝をつくことを強制した事実はないと述べ、人種差別への反対を表明する方法はそれぞれに選択する権利があると語った。F1オーストリアGPのレース前のオーストリア国家斉唱の際、F1ドライバーは「End Racism( 人種差別を撤廃)」のメッセージが書かれたTシャツを着用して整列。ルイス・ハミルトンは含めた14名は片膝をついたが、他の6名は起立したままだった。
Daily Mail は、ルイス・ハミルトンが他のドライバーに片膝をつくよう強要したと非難した。しかし、実際にはこの件は金曜日のドライバーズブリーフィングでGPDA(グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション)のディレクターであるロマン・グロージャンとセバスチャン・ベッテルによって議題に上げられたものだった。ルイス・ハミルトン自身は、片膝をつくことを土曜夜に決断したとしてし、ドライバーが強制的に片膝をつくよう指示されなかったことは良いことだと考えている。片膝をつかなかったドライバーがいたことについて質問されたルイス・ハルトンは、「正直、確実の理由はわからない。誰もがそれぞれ異なる理由や意見を持っている」とコメント。「一部のドライバーから意見が上がった部分について知っているけど、それは個人的なことだし、共有するつもりはない。でも、最終的に片膝をつくことを強制された人はいなかったと思っているし、事実ではないことが伝えられているので訂正しておきたい」「僕は誰かに片膝をつくように求めたことはないし、強制もしていない。僕から持ち出した話でもないしね。F1が言い出したことで、GPDAによって提案された。ドライバーズブリーフィングでセブとグロージャンの2人が話し、ドライバーたちにやるつもりがあるかどうかを聞いた。やるつもりはないと言った人がいたのは確かだけどね。僕はみんなに言いたいことを言ってもらった」「みんなに本心を言ってもらいたかったし、『僕はやるつもりだけど、みんなは自分が正しいと思ったことをすればいいからね』と伝えた。一緒にやってくれた人たちがいたことは本当にうれしいことだし、かなり強力なメッセージを発信できたと思っている」 「最終的に、膝をつこうがつくまいが、それだけが世界が変わるわけではないし、それだけをやればいいという小さな問題ではなく、世界中でははるかに大きな問題だ。でも、僕個人としては、誰にでも自分の選択を行う権利があると思っているし、僕も個人的にそうするのが正しいと思うことをやっている。でも、土曜日の夜までどうするかは決めていなかった」 一部のドライバーは片膝をつく行為や「Black Lives Matterの協力することの政治的な側面を懸念している。19名は「End Racism」と書かれたTシャツを着ていたが、ルイス・ハミルトンだけは「Black Lives Matter」と書かれたTシャツを着用した。先月、ロンドンでBlack Lives Matterのデモ活動に参加しているルイス・ハミルトンは、Black Lives Matterの考えを支持しているので、そのスローガンが書かれたTシャツを着たのだと説明した。 Black Lives Matterの運動と政治組織との区別について質問されたルイス・ハミルトンは「聞いてくれてうれしいよ。いい質問だと思う」とコメント。「運動そのものよりも政治的な意味あいで語る人がいるのは確かだ。確かにLondon Black Lives MatterやUK Black Lives Matterはより政治的な問題について話している。でも、デモ活動やデモ行進に参加している人たちはひとつのことのために戦っている。それは平等性だ」 「彼らにとっては必ずしも政治的なものだというわけではない。僕がロンドンに行ったときもそうだ。僕がこのシャツを着るとき、この件について語るときに支持しているのはそういうことだ。必ずしも政治的な運動を支持しているわけではないし、それは完全に別の話だ。別々にしておくことが重要だと思う」 また、ルイス・ハミルトンは今後すべてのレース前に片膝をつくかどうかはわからないと語る。「今後どうしていくかはまだわからない。F1、特にメルセデスが世界中で僕たちが直面している問題を取り上げて、何かしらの行動を起こそうと決めてくれたことは本当にうれしい」とルイス・ハミルトンはコメント。「最終的に、僕たちがやることだけでは足りないだろうし、もっとやっていかなければならないと思っている。数週間は注目を集めるだろう。でも、僕たちがやるべきでないのは突然止めて何の変化も見られなくすることだ。だから、ある意味、僕がモルモットになるかもしれないけど、僕はずっと意見を言い続けていくつもりだ」 「話を戻すけど、僕自身も含めた全員が責任を取らなければならないし、各組織やチームの中でもっとできることがないかを考える必要がある。今後、自分が片膝をつく行為をするかどうかはわからない」