メルセデスのルイス・ハミルトンは、F1イギリスGPのオープニングラップで接触したキミ・ライコネン(フェラーリ)からの謝罪を受け入れ、キミ・ライコネンが意図的にぶつけてきたことを示唆した“興味深い戦略”との発言を撤回した。ポールポジションからスタートで出遅れて3番手に順位を落としたルイス・ハミルトンは、さらにターン3でキミ・ライコネンから攻撃を仕掛けられた。
ルイス・ハミルトンはインサイドにスペースを残していたが、ブレーキングでタイヤをロックさせたキミ・ライコネンは減速できずにハミルトンのマシンに接触。その結果、スピンを喫したルイス・ハミルトンは最後尾にまで後退。一方、キミ・ライコネンはそのままレースを続行し、最初のピットストップで10秒のタイムペナルティを消化する直前は4番手を走行していた。最終的に2位までポジションを挽回して表彰台に上がったルイス・ハミルトンだが、母国のファンの前で勝利を手にすることができなかった。レース終了後、キミ・ライコネンは「ハミルトンとの接触は僕が悪い」と自らの非を認めていたが、ルイス・ハミルトンはフェラーリによる“興味深い戦略”と発言するなどフラストレーションを露わにしていた。さらにメルセデスのチーム代表トト・ヴォルフはフェラーリに対して「意図的か?それとも無能なのか?」とのテクニカルディレクターのジェームス・アリソンの発言に言及。ジェームス・アリソンは元フェラーリの従業員だったこともあり、フェラーリのチーム代表マウリツィオ・アリバベーネが「恥ずべきこと」だと不快感を露わにするなど、論争に発展していた。しかし、ルイス・ハミルトンは、翌日になって事故はレーシングインシデントだったと考えを改め、フェラーリの行為を反則だと訴えたのは間違っていたと述べた。ルイス・ハミルトンは「キミから謝罪があったし、僕はそれを受け入れて前に進む。あれはレーシングインシデントだったし、それ以上のものではない。時々、僕たちは汚い言葉を口にしてしまうこともあるけど、そこから学んでいく」と Instagram に投稿した。これに対して、フェラーリも公式Twitterでフェラーリも「ルイス・ハミルトンの今日のコメントに感謝する。彼はイギリスGPでのスタートの際の出来事が“レーシングアクシデント”だと言ってくれた」と述べ、遺恨は拭い去られたようだ。トト・ヴォルフも自らのコメントについて反省を口にしている。「感情にまかせた愚かなコメントだった」とトト・ヴォルフはコメント。「だが、愚かな出来事が直近の3レースのうち2レースで起きていた。私がそういう感情を抱いていたのはそれが理由だ」また、ルイス・ハミルトンは、F1イギリスGPのレース終了後に元F1ドライバーのマーティン・ブランドルからのトップ3インタビューを受けずに表彰台の待機室に向かった件についても説明した。「みんなとチームのためにトップに返り咲こうとして3kg近く減量していた。話しをするだけでなく、立っているエネルギーさえほとんどなかった。理解できない、認められないと言う人がいても、僕はそれを完全に理解する」とルイス・ハミルトンはコメント。「でも、怒っていてやったことではない。文字通り、肉体的にも精神的にも疲れ切っていたんだ」「今週末、本当に素晴らしい応援をしてくれたみんなに感謝している。勝つ時も負ける時も一緒だ。前へ、そして上へ進もう」また、ルイス・ハミルトンはファンに向けて「いろんな欠点を持つ僕を愛してくれてありがとう」とコメント。「自分が完璧ではないことはわかっている。自分がどういうやつなのかを受け入れ、自分自身を愛することが本当に重要だと思う。今日も格好よく、自分らしくいこう。誰が何を思おうと気にせずにね」