アイルトン・セナが1993年に最後にF1モナコGPを制したF1マシン『マクラーレン MP4/8A』が今年5月11日にモナコで開催されるボナムズのオークションに出品されるが、すでに購入について大きな関心が寄せられているという。ボナムズのモータースポーツ部門のグローバル責任者を務めるマーク・オズボーンは、すでに3名から強い問い合わせを受けているとし、そのうちの一人は有名な個人であることを示唆。ルイス・ハミルトンなのではないかとの推測が広まっている。
ルイス・ハミルトンは、幼い頃からアイルトン・セナに憧れ、カート時代からセナと同じカラーリングのヘルメットを着用。常にセナに対するリスペクトを口にしてる。昨年のF1カナダGPではポールポジション記録でアイルトン・セナの記録に並ぶ、セナの家族から実際にアイルトン・セナがレースで着用したヘルメットをプレゼントされている。ボナムズは、このMP4/8Aの正確な見積もりは出していないが、7桁ドルの高値がつくと予想。昨年11月にミハエル・シューマッハが最後にF1モナコGPを制したフェラーリの2001年F1マシン『F2001』について値段の750万4000ドル(約8億4000万円)を超えるのではないかと予想されている。ルイス・ハミルトンは、今年Sunday Timesが発表した長者番付で資産は1憶7500万ドル(198億6300万円)と見積もられている。2018年シーズン末にメルセデスとの契約が切れるが、新契約では年俸が4000万ドル(約45億円)から6000万ドル(約68億円)にアップするとされており、お金の心配する必要はないかもしれない。もう一人の購入希望者として予想されているのが、元マクラーレンの代表を務めたロン・デニス。すでにロン・デニスは多数のマクラーレンのヒストリックF1マシンを保有しており、その多くがマクラーレン・テクノロジー・センターのレセプションエリアに展示されている。ロン・デニスは、昨年7月にマクラーレンの会長職を退くとともに保有していた2億7500万ポンド(約400億円)の株式を売却している。アイルトン・セナは、オークションに出品されるマクラーレン MP4/8Aのシャシーナンバー6でF1モナコGPの最多勝利記録となる6勝目を達成。その記録は25年経った今もまだ破られていない。第5戦で投入されたシャシーナンバー6は、その後7戦でアイルトン・セナがドライブ。最終的にセナはアラン・プロストに次ぐ、ランキング2位でシーズンを終えた。アイルトン・セナは、F1イタリアGPでデイモン・ヒル、そして、マーティン・ブランドと接触してリタイア。その後、シャシーナンバー6は日本とオーストラリアの2戦ではスペアカーとして使用された。ボナムズによると、フォード製エンジンを搭載したMP4/8Aは“驚くほど保存状態がよく”“正常に動作する”という。