ルイス・ハミルトンは、7レース前のシンガポールGPの週末にメルセデスが施した技術的な変更によってニコ・ロズベルグに復調の波が訪れたと考えている。3度目のワールドチャンピオンを獲得したルイス・ハミルトンは、全体的に2015年は「ドライビングと全体的なパフォーマンスという点でキャリアでベストな一年だった」と述べた。
実際、ルイス・ハミルトンはシーズンの大半でニコ・ロズベルグを圧倒し、9月のF1アメリカGPでドライバーズタイトルを決めている。しかし、最近のレースでは、ニコ・ロズベルグが5戦連続でポールポジションを獲得し、アブダビで3連勝を目指している。「人々は、チャンピオンを獲得したから、潜在意識でちょっと後退したのではないかと尋ねてくる」とルイス・ハミルトンは BBC に述べた。「もちろん、そうなのかどうかは決してわからないけど、それが僕の意図するところではないのは確かだ」ルイス・ハミルトンは“スランプ”だとの見方を否定。メキシコとブラジルのレースではニコ・ロズベルグに負けないペースがあったが、単純にオーバーテイクできなかったと主張している。だが、F1シンガポールGP以降、運転していて快適に感じられていないことを認める。シンガポールではメルセデスはパフォーマンス面で不可解なスランプに陥った。「全体的なパフォーマンスに関して確実に言えるのは、クルマに変化があったということだ」とルイス・ハミルトンは語り、シンガポールで起こったペース不足の理由はメルセデスの誰もわかっていないと述べた。「エンジニアがそれを調べて、多くの異なる説明を出してきた。僕たちはそれを受けて、いくつかのことを変更した」「でも、クルマは一年を通して素晴らしかったし、それは僕にとってあまり意味はなさなかった。それ以降、クルマのバランスが同じだとは感じられなかった」「僕の下から逃げていった。クルマに自身を感じているときにレーシングドライバーが表現するようなね。僕にとってはそうではなかった」「クルマのバランスが変わったし、快適ではなくなった。ニコにとってはそれは快適なようだけどね」「それでもレースではペースがあったけど、全体的にいくつかアドバンテージがなくなってしまったし、今はかつてのクルマに戻すためにプッシュしなければならない」