ルイス・ハミルトンは、F1カナダGPのレースでニコ・ロズベルグの後ろをずっと走り続けたことがブレーキトラブルに繋がったと考えている。1−2体制を築いていたメルセデスだったが、36周目にルイス・ハミルトンのマシンの電気系に故障が発生し、MGU-Kドライブを失う。その1周後にニコ・ロズベルグにも同じトラブルが発生。2台はスローダウンを余儀なくされ、後続の接近されることになった。
このトラブルにより、メルセデスは今シーズン初めてリードラップを他チームに明け渡すことになった。MGU-Kは、ブレーキング時にリアアクスルからエネルギーを回生する機能を持っており、ブレーキとともにクルマの減速を補助しつつ、そのエネルギーを放出する。そのため、MGU-Kが故障すれば、パワーが減るだけでなく、リアブレーキに余計な負荷がかかることになる。今年のブレーキはMGU-Kの回生と調和して機能するように電子制御されているため、小さくなっている。オーバーヒートしていったルイス・ハミルトンのリアブレーキは、2回目のピットストップ後にニコ・ロズベルグの前に出た直後の46周目に壊れた。「チームは第2スティントの途中で問題があることに気づいていた。でも、何とか管理できるだろうと考えていたので、あのペースで走っていた」とルイス・ハミルトンは述べた。「ストップでロズベルグの前に出たときには“ワオ! やっとだ!最高だ!”って思っていたよ。でも、そのラップでブレーキが故障してしまった。僕にできることは何もなかった」「僕は最初の2スティントの間ずっと彼を追っていた。誰かの後ろを走っているときは全てが熱を持ってしまう。その間、前にいた彼はずっとクリーンエアを走っていた。僕にできることなんてほとんどなかった。前に出たときはもう全てが焼けてしまった後だった」「不運な一日だったけど、チームは18ポイントを獲得できたので良かった。僕たちは前に進んでいくし、これ以上DNFが増えないことを祈るだけだ」チャンピオンシップ争いでニコ・ロズベルグに22ポイント差をつけられたルイス・ハミルトンだが、巻き返しに自信を見せる。「初日から多くの仕事をこなしてきたけど、僕はDNFが2回でニコはゼロだ。でも、プッシュし続けていく。次のレースではもっと強くなって戻ってきてみせる」