FIAのレースディレクターを務めるチャリー・ホワイティングは、F1スペインGPの予選でルイス・ハミルトンを失格処分するという判断は正しかったと述べた。ルイス・ハミルトンは、F1スペインGPの予選Q3で最速タイムを記録したが、必要な1リットルの燃料サンプルが残っておらず、コース上でマシンをストップ。スチュワードは、規約違反としてポールタイムを抹消し、ハミルトンは最後尾からのスタートとなった。
この件については、マクラーレンのミスを非難する声とともに、スチュワードの処分は“厳し過ぎる”との声もあがっていた。マクラーレンが燃料計算ミスをしたのはQ3だけのことであり、ルイス・ハミルトンのQ3タイムだけを抹消するという判断もできたかもしれないとの意見もある。 「他に手立てはなかった」とチャーリー・ホワイティングは Auto Motor und Sport に述べた。「違反があった場合はセッションの一部だけでなく全体に適用される。予選はQ1からすべてが含まれる」ルイス・ハミルトンのQ3タイムだけを取り消した場合、チーム側が予選後の車検で1リットルの燃料サンプルを検査されないことに賭けるという前例を作ってしまう恐れがあったとチャーリー・ホワイティングは語った。同誌によると、各グランプリの予選後、実際に燃料サンプルが検査されるのは1〜2台だけだという。従って、違反が見つかった際のペナルティが軽ければ、規定よりも少ない燃料でQ3を走るという“リスクを冒す”チームが出てくる可能性があるとチャーリー・ホワイティングは主張した。チャーリー・ホワイティングは、昨年のF1ドイツGPで燃料サンプルに不適合が発見されたため、予選失格となったセバスチャン・ブエミの例を指摘。 そのときにもQ1とQ2でもその違法な燃料が使用されていたかを調べることは不可能だったため、セバスチャン・ブエミは予選記録をすべて抹消された。