ハースF1チームは、F1マレーシアGPのフリー走行2回目に排水溝のカバーが外れたことによってロマン・グロージャンのマシンがダメージを負った件について75万ドル(約8442万円)相当の損害賠償を求めている。ロマン・グロージャンは、ターン13の縁石部分で浮き上がっていた排水溝のカバーで右リアタイヤをバーストさせ、ウォールに激しくクラッシュ。セッションは赤旗中断のまま終了となった。
ロマン・グロージャンが通過する前にバルテリ・ボッタス(メルセデス)とキミ・ライコネン(フェラーリ)が排水溝の上を走行した際にカバーがずれたことが事故の原因だ。高速での大クラッシュとなったが、幸いにもロマン・グロージャンに怪我はなかった。この事故を受け、FIAは翌日のセッションの開始までに問題となった排水溝のカバーを再溶接し、サーキットのすべての排水溝を点検した。ハースF1マシンは、このロマン・グロージャンの事故によって大きな負担を強いられることになった。スチュワードは“ドライバーおよびコンペティターがコントロールできる範囲を完全かつ明白に超えている”として夜間禁止令を免除し、規定時間を超えた作業を認めた。この対応により、ハースF1チームは、グランプリ2日目と決勝日も無事にロマン・グロージャンのマシンをコースへと送り出すことができた。この問題は9月29日(金)の夜に開かれたドライバーズブリーフィングでも議題となり、事故の様子をとらえた動画はF1公式サイトでも確認できる。ドライバーブリーフィングでは、チャンピオンシップリーダーのルイス・ハミルトン(メルセデス)が、F1レースディレクターを務めるチャーリー・ホワイティングに対し、ハースF1チームがグリッド上でも予算額が低い方であると指摘しながら、チームにもドライバーにも責任がない場合、誰が費用を持つと考えればいいのかと質問していた。 現時点で誰が支払うのか明白にはなっていないが、ハースF1チームも別途この件について問い合わせているという。 レース後に開かれたメディアセッションで損害賠償をFIAに求まるかと問われたハースF1チーム代表のギュンター・シュタイナーは「もちろんだ。やらなければならない」とコメント。「あれは完全に我々の手に負えるものではなかった。“誰かが溶接を忘れていたから、75万ドルが失われた。仕方ないことだ”などとは言えるわけがない。我々ここにくるために費用を払っているのだからね・・・誰もがそうだ」 「話し合うつもりだ。彼らはこの件について非常にプロフェッショナルだ。保険があるし、何ができるか見てみよう」 ギュンター・シュタイナーの提示した75万ドルという金額はあくまで“概算”であり、今後も議論が行われるようだ。関連:【動画】 ロマン・グロージャン、外れた排水溝の蓋で大クラッシュ