ルイス・ハミルトンの復活劇が、2026年のF1タイトル争いをさらに激化させている。メルセデスのジョージ・ラッセルは、かつてのチームメイトであるハミルトンがフェラーリ移籍後に勢いを取り戻したことを認め、「本物の脅威になる」と警戒感を示した。スペインGPでのフェラーリ移籍後初優勝をきっかけに、ハミルトンはランキング2位へ浮上。ランキング首位のキミ・アントネッリを追う立場となり、ラッセル自身も逆転されたことで、タイトル争いの構図は大きく変化しつつある。
フェラーリ移籍という大きな賭けが実を結ぶハミルトンは2025年限りでメルセデスを離れ、2026年からフェラーリへ加入した。その決断はF1史上でも最大級の移籍劇と評されたが、シーズン序盤は苦戦が続いた。しかしモナコGPとカナダGPで表彰台を獲得すると、バルセロナ・カタルーニャGPでは待望の初勝利を挙げ、一気にタイトル争いへ名乗りを上げた。ラッセルはその状況について理解を示した。「フェラーリへ移籍するのは大きく大胆な決断だった。その決断の大きさを考えれば、それが今こうして報われている姿を見るのは本当に特別なことだ」そして笑みを交えながらこう続けた。「彼は本物の脅威になるだろうね。まあ、その状態があまり長く続かないことを願っているけど」大型アップグレードで勢いを得たフェラーリハミルトンの躍進の背景には、フェラーリが投入した大型アップグレードの成功がある。新パッケージによって競争力が大きく向上し、フェラーリはメルセデスやマクラーレンと並ぶ優勝候補へと返り咲いた。これまでグラウンドエフェクト時代のマシン特性に苦しんできたハミルトンも、新レギュレーション下のマシンには高い適応力を見せている。その結果、ハミルトンはランキングでラッセルを9ポイント上回る位置まで浮上した。ただし首位アントネッリとの差は依然として大きく、タイトル争いの主導権はまだメルセデス側にある。ラッセルは冷静 「アプローチは変わらない」一方でラッセルは、ライバルの台頭によって自身の考え方が変わることはないと強調した。「現時点ではルイスがランキングで僕の前にいるのは確かだ。でも、それは数レースを通して見ていく必要がある」「フェラーリは大規模なアップグレードを投入した。そして今はどのチームも開発曲線が非常に急だ。より早くアップグレードを投入できたチームが前進することになる」さらにラッセルは、今季ここまでの勢力図の変化を例に挙げた。「マクラーレンはマイアミで非常に強い週末を過ごした。その後は僕たちとフェラーリが前進した」「だから正直なところ、僕のアプローチは変わらない。ただ週末ごとのパフォーマンスを最大化することだけに集中している。それが最近は十分にできていなかったけれど、結果としてどこへ行き着くか見てみたい」アントネッリ独走ムードに変化の兆し開幕7戦で5勝を挙げているアントネッリは依然として最有力候補だ。しかしフェラーリの急速な進歩とハミルトンの復活によって、パドック内では「タイトル争いはまだ決まっていない」との見方が広がっている。メルセデス、フェラーリ、マクラーレンの開発競争は今後さらに激化する見通しで、オーストリアGP以降のアップデート合戦が選手権の流れを左右する可能性が高い。ハミルトンの復活によって、2026年のF1王座争いはアントネッリ対ラッセルの構図から、ハミルトンを加えた三つ巴へと発展しつつある。