2026年F1シーズンに導入された新レギュレーションとマシンをめぐり、ドライバー間で評価が大きく分かれている。その中で、メルセデスのジョージ・ラッセルは、批判的な声に対して一定の距離を取りつつ、現行F1のポジティブな側面を強調した。セルジオ・ペレスが「誰も理解していない」と指摘するなど複雑さが議論を呼ぶ一方で、ラッセルは競技としての魅力やレース内容の進化に注目している。
ラッセルが語る新F1の“ポジティブ”ラッセルはBBCのインタビューで、現在のF1に対する評価がネガティブに偏りすぎていると指摘した。「僕たちは物事のポジティブな面を忘れて、ネガティブな部分ばかりに目を向けがちだ。でも、この新しいレギュレーションとマシンには多くの良い点がある」「個人的にはこのクルマをとても楽しんでいる。パワーユニットやエンジンは大きく変わったけど、最適化には少し調整が必要なだけだ」「それによって、より多く戦えるようになったし、レースもずっと接近戦になっている」現行のエネルギーマネジメント中心のマシンは扱いが難しい一方で、バトルの増加という明確なメリットがあると評価している。“ヨーヨー現象”への見解近年議論となっている“ヨーヨー現象”(抜いても抜き返される展開)についても、ラッセルは否定的ではない。「ルイスも言っていたが、カートレースではコーナーで抜けば次のコーナーで抜き返される。それを誰も“マリオカート”とは呼ばない。我々はそれを純粋なレースだと呼ぶ」「ドライバーが意図的に遅く走っているわけではない。FIAが修正しようとしているのは非常に複雑な部分で、ファンがすべてを理解する必要はない」「今回の変更によって、予選ではストレートで全開走行ができるようになり、エネルギー管理のためにアクセルを戻す必要もなくなる」マイアミGPから導入される調整によって、現行F1の弱点とされてきた“持ち上げ走行”の改善にも期待を示した。過去のF1との比較で見える変化さらにラッセルは、過去のF1と現在のF1を比較しながら、記憶のバイアスにも言及している。「20年前のF1を見ていたとき、エンジン音は素晴らしかったが、オーバーテイクはほとんどなかった」「確かに純粋なF1だったかもしれないが、レース自体は退屈だったと思う」「人は過去の良い部分だけを覚えて、今の悪い部分ばかりを見る傾向がある」また、過去のドライバーとの会話を引き合いに出し、技術的な課題は時代ごとに存在してきたと説明した。「80年代や90年代のドライバーは“ブーストボタン”で300馬力を追加できたが、ストレートの終わりには燃料が尽きていたと言っていた」「問題は昔から常に存在していた。今は形が違うだけだ」新時代のF1は確かに複雑さを増しているが、その裏でレースの競り合いという本質的な魅力はむしろ強まっている。ラッセルの発言は、議論がネガティブに傾きがちな現在のF1像に対し、別の視点を提示するものとなっている。
全文を読む