ジャック・ホワイトホールが、F1公式イベント「F1 75」ショーで使用したジョークの裏側を明かした。彼はジョージ・ラッセル本人に“許可取り”をするという異例のプロセスを経て、ようやく脚本に残せたという。ホワイトホールは今年2月、ロンドンのO2アリーナで開催された記念イベントを司会として仕切り、10チーム20名のドライバーが一堂に会した初の“合同シーズンローンチ”で、多くの笑いをさらった。
しかし、台本はF1側により厳しく精査され、彼のネタのいくつかは“検閲対象”となったという。「バーンリー・エクレストンはNG、フラビオ・ブリアトーレもNG」脚本は“重警備”状態ホワイトホールは Radio X の『The Chris Moyles Show』で当時を振り返り、脚本のチェックがいかに厳しかったかを語った。「脚本にはジョージ・ラッセルを“TikTokの鉄道マニアっぽい”とイジる一行があったんだけど、まず審査で止められた。ほかにもバーンリー・エクレストンのジョーク、フラビオ・ブリアトーレのジョークも全部カットされたんだ」F1側は“扱ってはいけない人物”について明確に線引きしていたようで、ホワイトホールは思わず笑ったという。声メッセージでジョークを本人に送信「こんなの初めて」ラッセルをネタにした一文も却下されそうになったが、ホワイトホールは「いや、彼なら絶対笑うはずだ」と抵抗。するとF1側からは驚きの条件が提示された。「『本人が許可すればOK』と言われたから、彼のチームに確認してもらった。そしたら“本人にジョークを声メッセージで読み上げて送れ”と言われたんだ。こんなの初めてだったよ」ホワイトホールは実際にラッセルへ向けて音声メッセージを録音。「『ジョージ、O2アリーナのショーでこのジョークを言いたいんだけど、許可をもらえますか?』とね」その結果、ラッセルは難なくOKを出し、ジョークは台本に残ることになった。「ドライバー本人はユーモアがある。怖がってるのは周囲の人たち」ホワイトホールは、ラッセルが快く承諾してくれたことに感謝しつつ、改めて“F1界のリアル”に触れた。「彼はすごくフレンドリーに『もちろん大丈夫だよ』って返してきた。ドライバー自身はみんなユーモアがある。でも、周囲の人たちがとにかく怖がっているんだよね」F1という巨大ブランドが主催するイベントだけに、脚本審査は徹底され、時に“ジョーク1行”を巡って本人確認まで必要になる——ホワイトホールが語ったエピソードは、F1の水面下の厳格さを象徴する出来事だった。