メルセデスのジョージ・ラッセルは、F1マイアミGP終盤に激しい腹痛に襲われながらも、今季4度目となる表彰台フィニッシュを果たした。週末を通じてマシンのフィーリングには満足できなかったというラッセルだが、決勝直後のF1公式チャンネルのインタビューでは、レース終盤の体調不良について明かしている。
「最後の15周はひどい腹痛に襲われて、本当に苦しかった。今もかなりつらい状態で、まっすぐ立つこともできない。胃がとにかく痛むんだ」と語ったラッセル。「いつもより少し朝食を多く食べたんだけど、それが原因かもしれないね。」ラッセルはレース直後の表彰台や、トラック上を走行しながら行われたインタビューには出席していたが、その後、マイアミ・ドルフィンズの更衣室を使用して行われたFIA主催の公式記者会見には姿を見せなかった。会見には、優勝したオスカー・ピアストリと2位のランド・ノリスのマクラーレン勢のみが出席し、メルセデスはラッセルの欠席について「体調不良のため」と説明している。レース後、メルセデスはラッセルの体調が回復したことを正式に発表している。ラッセルはこの日、ハードタイヤでスタートしたことで中盤まで長く走行し、バーチャル・セーフティカー(VSC)導入中にピットインする好機を得た。この戦略が奏功し、ピット作業を終えた際にはマックス・フェルスタッペンやアンドレア・キミ・アントネッリの前でコースに復帰し、最終的に3位を手にした。「今日はリスクを取って大胆な戦略を選んだ。トップ5の中でハードタイヤを履いてスタートするドライバーなんて、そうそういない」とラッセルは説明する。「VSCが入ったのは運が良かった部分もあるけど、それがレースというもの。リスクを取れば、こうして報われることもある。」「キミやマックスがピットに入ったあと、自分でもコンマ2~3秒速くなって、とてもいいポジションにいた。正直、この週末はずっと不調で、ドライビングを楽しめていなかった。でも、結果を出すべきときにちゃんとやりきれたのは誇りに思う。」なお、この3位というリザルトは、フェルスタッペンの後方走行中にラッセルが黄旗中に減速しなかった疑いでレッドブルが抗議したことで一時危うくなったが、スチュワードは抗議を却下し、ラッセルの順位は正式に認められた。レース前には、F1ドライバーたちがレゴブロックで作られた実物大のF1カーでコースを走行するというユニークなドライバーズパレードが行われ、ラッセルもステアリングを握っていた。チームメイトのキミ・アントネッリを後部座席に乗せ、他のドライバーたちと共にレースさながらの“バンパーカー走行”を楽しんだ。トップスピードが時速20kmに制限されていたこのイベントでは、スピードよりも楽しさが重視され、ドライバー同士の軽い接触も度々見られた。レース後、ラッセルは「レゴのレースでランドの足をちょっと負傷させちゃったかも」と冗談を交えながら振り返った。「ランドは僕にちょっと怒ってるかもね。朝のレゴレースでちょっとぶつかっちゃって、足を痛めさせたかもしれないんだ。苦情を言いに来るかもね」と笑いながら語ったラッセルは、続けて「今日一番楽しかったのは間違いなくあのレゴレースだね。最高だったよ。あれ、毎戦やるべきだよ」と締めくくった。
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