アルピーヌF1チームがサンパウロGP前にピエール・ガスリーとともにフランコ・コラピントの残留を発表したが、この決定はパドックに小さくない衝撃を与えた。デビュー後のパフォーマンスが安定しないルーキーに対し、チーム側は「実力評価」と強調し続けているが、周囲の視線は冷ややかだ。ましてや、コラピントの不安定な走りが続くなかでの早期延長。そこにアルピーヌの過剰な“正当化キャンペーン”が重なり、むしろ疑念は深まるばかりだ。
ブリアトーレの擁護は空回りアルピーヌのマネージングディレクターであるスティーブ・ニールセンは「才能が評価された」と説明。さらにエグゼクティブアドバイザーのフラビオ・ブリアトーレも、コラピントの走りを必死に擁護した。ブリアトーレは「若手はスポンサーやチームから多くのプレッシャーを受けている」「車が十分に速くない」とマシン側の問題を強調しつつ、コラピントの成長ぶりをアピールした。「序盤は迷いがあったが、3〜4戦で良くなった。今の彼は自信があり、エンジニアリングへの取り組みも強い。理解を深めるために多くの時間を費やしている」しかし今季のアルピーヌは、ポイントを取るより言い訳を重ねる時間が長い。ブリアトーレらの擁護も、形成されつつある“本当の理由”の見方を覆すものではなかった。ビルヌーブ「これはスポンサー主導だ」そんな中、1997年F1王者ジャック・ビルヌーブは遠慮なく核心を突いた。「これは昔の“ペイドライバー時代”と同じだ。チームを支えるために、一人はペイドライバーを置く。コラピントはまさにそれだ」「外から結果を見れば、延長を正当化できる材料はない。速さを見せる瞬間はあったが、継続性がない」コラピントの背後にはアルゼンチン系大口スポンサーである Mercado Libre、Globant、YPF が存在する。ビルヌーブの指摘は、多くの関係者が“表では言わないが思っていること”そのものだ。アルピーヌがどう取り繕おうとも——F1が“ペイドライバーを脱却した”という幻想は、単にうまく覆い隠されていただけ。コラピント延長は、その現実を改めて露呈させたと言える。