元F1レースディレクターのマイケル・マシが、2026年シーズン開幕を前にニュージーランド選手権(NZ Championship)に加わることが、モータースポーツ・ニュージーランドから発表された。マシはイベントディレクターとして、ニュージーランド国内の複数のナショナルシリーズを統括する役割を担う。主な任務は「各ラウンドが安全かつ公正、そしてプロフェッショナルに実施されることを確実にすること」だという。
この役職に加え、マシはモータースポーツ・ニュージーランドと緊密に連携し、競技規則やレギュレーション、運営プロセスが実際にどのように機能しているかを現場で確認し、ベストプラクティスに沿った形で適切に機能し続けるための専門的な提言を行う。また、競技役員向けの新たな育成・トレーニング枠組みの構築にも関与する予定だ。今回の就任は、マシが2022年半ばから務めてきたスーパーカーズ・コミッションの会長職を、約3か月前に退任した直後のタイミングとなる。今後もカーティング・オーストラリアおよびサザン・オーストラリアン・モータースポーツの理事としては引き続き名を連ねる。マシは就任にあたり、次のようにコメントしている。「ニュージーランドはモータースポーツにおいて非常に豊かで誇り高い伝統を持っている。モータースポーツ・ニュージーランド、トヨタ・ニュージーランド、そしてレプコ・ネクストジェンNZチャンピオンシップとパートナーとして協力し、すべての参加者とステークホルダーのために、競技の継続的な改善と発展を支えていけることをとても楽しみにしている」マシはFIAでF1のレースディレクターを務めていたが、2021年F1アブダビGPでのセーフティカー運用と手続き上の判断を巡る論争を受け、2022年にその職を離れた。その後、短期間FIAに残ったものの、最終的には完全に組織を離れている。NZ選手権は、シングルシーター、ツーリングカー、スポーツカーなど多岐にわたるカテゴリーで構成されており、トヨタ・レーシング・シリーズの後継として知られるフォーミュラ・リージョナル・オセアニアがフラッグシップカテゴリーを務める。このシリーズは、現在F1で活躍する複数のドライバーがキャリア初期に参戦したことで知られている。モータースポーツ・ニュージーランドのデボラ・デイ会長は、マシの起用について次のように評価した。「マイケルが世界最高峰のモータースポーツで培った経験は、私たちのシステムを洗練させ、選手権の質を高め、競技役員を支援するうえで大きな助けになる。彼の就任は、競技の近代化と能力開発を進め、長期的な成功へと導くという我々の戦略における重要な一歩だ」また、NZ選手権CEOのジョジー・スピレーンもこう語っている。「マイケルはこの夏の選手権にとって信じられないほど大きな戦力であり、世界クラスの育成選手権を提供するという私たちの野心に完璧に合致している。モータースポーツ・ニュージーランドとトヨタが連携し、彼をイベントディレクターとして迎え入れたプロセスそのものが、主要なステークホルダーが協力することで競技を前向きに前進させられることを示している」