FIA会長モハメド・ビン・スライエムは、自らの「王座」に挑戦しようとする人物を妨げるつもりはないと述べた。2021年末にジャン・トッドの後任としてFIA会長に就任した63歳のアラブ首長国連邦出身のビン・スライエムは、近年ますます物議を醸す存在となっており、パリを拠点とするこの連盟内で混乱が続いているとの見方も強まっている。
彼自身はその敵意の多くは、F1の商業権保有者(現在はリバティ・メディア)がFIAを「軽視している」とする自身の主張に起因していると考えている。「FIAに対して不公平な扱いがされてきた」とビン・スライエムはロイターに語った。「FIAが選手権の保有者であるにもかかわらず、たった一人のドライバーやチーム代表がFIA全体よりも多くの金を稼ぐなんて、私には理解できない」さらに批判者たちに向けて「私はFIAの中を一掃した。あの人たちが何をしようと、何を言おうと、私は最後の最後まで気にしない」とも語った。近年、FIA内部では主要人物の辞任や更迭が相次ぎ、その中で12月のFIA会長選挙に立候補する可能性のある人物たちの名前が挙がっている。スージー・ヴォルフ、デビッド・リチャーズ、アレクサンダー・ヴルツといった面々が候補として取り沙汰されているが、現時点で出馬の意思を公にしているのは、ウィリアムズF1に所属するカルロス・サインツJr.の父でラリー界のレジェンドでもあるカルロス・サインツSr.のみだ。「彼が立候補するなら、それでいい」とビン・スライエムは語った。「それが民主主義というものだ」一方で、現職のビン・スライエム自身も再選を目指す意向を明らかにした。「FIAのように複雑な連盟において3年間では不十分だと感じている」「もっと時間が必要か? そうだ。これまで順調だったか? まったく違う。楽しかったか? 時々はそうだ」「だから、私は出馬する」
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