FIA アウディに特別処置もフェラーリのF1予算上限緩和の要請は却下

現在ザウバーとしてレースに参加しているチームは、2026年からアウディのワークスチームとなることが決まっている。一部の業務はドイツで行われるが、今後もスイスのヒンウィルに本社を置く予定だ。つまり、多くのスタッフがそこに留まることになる。しかし、スイスは生活費が非常に高いので、必然的に運営コストも高くなる。つまり、他のF1チームのほとんどが英国を拠点としているのに対し、スイスに拠点を置くチームのスタッフは、より高い給料が支払われることになる。ヨーロッパの他の地域に大半の事業を置くチームは、フェラーリだけである。しかし、FIAは、全10チームが順守しなければならない年間予算上限に関して、アウディにはより多くの余裕を与えることに合意している。一方で、有能な人材の確保に苦戦しているフェラーリからの同様の要請は却下されている。その理由は、英国からイタリアへの移住を拒む労働者が多いからだ。その決定について説明し、アウディが特別扱いされていることに他の9チームがどれほど不満を抱いているかを挙げたFIAのシングルシーター・ディレクター、ニコラス・トンバジスは次のように述べた。「チーム間の給与に影響を与える状況は、他チームから人材を確保することの難しさを考慮しなければならないため、もう少し複雑だ」「我々は、人件費の高い国に注目することが正しいと考えている。現時点では、それはスイスだろう。民主主義において、9匹のオオカミと1匹の羊がいる場合、誰が9匹のオオカミなのかが分かるだろう」「もちろん、コンセンサスや民主主義を求めるのは当然だが、公平であるよう努めることも我々の責任だ。そして、公平性を目的とした調整を行う機会が5年か6年に一度あるが、F1の競争の中で、それを支持するチームの大多数の支持を得ることは難しい。我々は公平であるよう努める責任がある。そして、常にそれを心がけている」FIAがアウディにより多くの余裕を与えることを決めた理由について、より深い洞察を提供し、トムバジスは次のように付け加えた。「ほぼ同額のコスト上限の場合、スイスのような人件費の高い国を拠点とするチームは、マシン開発に携わるスタッフを30パーセント、あるいは40パーセントも削減することになるだろう。それは根本的に不公平だと感じた」「レギュレーションの観点から見ると、結局はチームが運営できなくなり、ザウバーのようなチームは基本的に閉鎖して別の国に移転しなければならなくなる。それは、世界的な選手権の運営方法としては正しいとは思わない。それが2026年の財務規則に調整が加えられた理由であり、コストキャップで考慮される給与が調整されることになる。私は、それは完全に公平だと思う」「我々は、何か裏工作が行われているのではないかと心配しているチームが納得するように、もう少し透明性を高めるつもりだ。しかし、この規則の公平性について疑う者はいないだろう」