F1オーストラリアGPで起きたニアミスを受けて、スチュワードは再スタート前の周回に関するプロトコルを見直す必要があることを示唆した。アレクサンダー・アルボンの事故による赤旗の後、レースはセーフティカーの後ろで再開され、事実上のフォーメーションラップが行われた。
プロトコルに従って、ドライバーはセーフティカーの後ろで1周を終え、再びグリッドに着いてスタンディングスタートを切るという手順で行われる。この周回では、後方のドライバーたちがターン6に差し掛かったところでスピードに差が出た。ウィリアムズのローガン・サージェントはランオフに入り、ハースのケビン・マグヌッセンはライバルとの接触を避けるためにグラベルを走り抜けた。再スタートの手順が調査されたが、それ以上の処置はとられなかった。スチュワードは、セーフティカーの後ろに並んだ先頭車両が「ペースを決定し、必要であれば10車身以上後ろに下がる」ことができると説明した。先頭車両はルイス・ハミルトンで、ターン6でセーフティカーランプが消灯すると「レギュレーションに従って、非常にゆっくりと走ることでペースを決定した」7番手のジョージ・ラッセルは、ピットからのスタートが遅く、ピットレーンを離れるとすぐにスピードを上げ、ギャップを縮めようとした。スチュワードの報告書によると「その結果、ラッセルの後ろの車もピットレーンを離れるのが遅れ、スピードアップする必要があった。ラッセルと後続車が前車に追いついたとき、2つのグループの間には大きな速度差があり、その結果、何台もの車が回避行動を取らざるを得ない状況に陥った」とある。スチュワードは「安全面から見て、まったく理想的な状況ではなかった」と強調した。ピットレーンの速度制限と、ラッセルがすぐにギャップを縮めようとしたことを考慮し、ピットレーンからのスタートが遅かったとしてラッセルにペナルティを課すことは「必要ない、適切ではない」と判断された。「問題の一つは、ピットレーンからの再スタートがローリングスタートではなくスタンディングスタートであっても、先頭車両がペースを決めることを認めるレギュレーションにあると考える」と報告書は述べた。「この性質の再リスタートに適切かどうかを判断するために、おそらく将来的に検討する必要がある」