FIA(国際自動車連盟)は、F2ベルギー大会でアントワーヌ・ユベールが命を落とした事故について調査を開始した。8月31日(土)にスパ・フランコルシャン・サーキットで行われたF2のレース1。2周目にオー・ルージュでジュリアーノ・アレジがスピン。それを避けようとしたアントワーヌ・ユベールがラディオンでバリアにクラッシュしてコース上に戻り、そこにファン・マヌエル・コレアが高速で突っ込み、2台のマシンは大破した。
悲しいことにアントワーヌ・ユベールは死亡が確認され、ファン・マヌエル・コレアは、両足の骨折と軽度の頸椎損傷で集中治療室に入った。この事故でレースは即座に中止され、翌日に予定されていたレース2も中止となった。F1ベルギーGPは予定通りに開催されたが、スタート前にはアントワーヌ・ユベールを追悼して1分間の黙祷が捧げられ、レースはユベールと同世代でカート時代から切磋琢磨してきた親友人であるシャルル・ルクレール(フェラーリ)が優勝し、勝利をユベールに捧げた。FIAレースディレクターを務めるマイケル・マシンは、事故について調査を進めていると語った。「すでに開始した調査もあり、ここから進めていく。FIAは技術部門、安全性部門、その他、FIAの様々な部署がすべて協力してすぐに調査をスタートさせている。RACB(ロイヤル・オートモービル・クラブ・オブ・ベルギー)や諸団体とも連携して取り組んでいく」 「FIAがあらゆる深刻なインシデントに対して行っている調査と同様に完全かつ徹底的な調査を行えるようプロセスを進めていく。サーキットレースであろうとラリーであろうと、何であろうともこの姿勢は変わらない。インシデントのあらゆる局面を徹底的に調査していく」 今回のインシデントはアントワーヌ・ユベールが、ターマックが敷かれたラディオンのランオフエリアでマシンのコントロールを失った後に発生しており、タイヤウオールに衝突したマシンはその反動でコース側に跳ね返されていた。 マイケル・マシは、ターマック式のランオフエリアが事故の最大の原因だったのではないかとの見方を否定してもいる。 「今後の懸念になるとは思っていない。それぞれのサーキットやそのコースが持つ個別の環境を調べる必要があると考えている」 「ラディオンは最悪のランオフなわけではない。実際の、他ではピットレーンとして使われている出口用のピットロードであり、そう断言することはできないと思う」