FIA会長のジャン・トッド会長が、2016年にはF1とル・マン24時間レースの開催日が重なってしまった経緯を説明した。今年は早い段階からバーニー・エクレストンが作成した2016年の暫定F1カレンダーがリークされていたが、2016年に過去最多となる年間21レースが組み込まれたことにより、これまで4週間で設定されていた夏休みが短縮されていた。
これに対して、F1チームから苦情が出たことを受け、夏休みを長めに設定し直した新カレンダー案が提出され、FIAの世界モータースポーツ評議会で承認された。だが、修正版F1カレンダーでは、2016年にアゼルバイジャンで初開催されるヨーロッパGPと、WEC(世界耐久選手権)の1レースとして設定されている有名なル・マン24時間レースが同じ週末に開催されることになっている。今年、フォース・インディアのニコ・ヒュルケンベルグが、F1とかけもちでル・マン24時間レースに出走し、初参戦で見事に初優勝を飾ったことが大きな話題となった。ニコ・ヒュルケンベルグは、2016年にもル・マン24時間に参戦してタイトルを防衛したいと語っていたが、現在の2016年のF1カレンダーでは、その実現は不可能ということになる。これに対して、F1ドライバーが他のカテゴリーのレースに出走することを好ましく思っていないバーニー・エクレストンが、わざと日程がバッティングするように仕向けたのではないかと考えている者もいる。一方では、F1とWECの両シリーズを統括するFIAが、F1とル・マン24時間レースの日程が重ならないようにする努力を怠ったと批判する声もある。FIA会長のジャン・トッドは「ル・マンに関してはできる限りの保護している。だが、我々としては他の分野に対してもその収益や置かれている立場などに対して敬意を払わなくてはならない」と Auto Hebdo にコメント。「非常に多くの競技が行われているので、日程がバッティングすることを避けるのは不可能だ」「F1グランプリとル・マンに関してだが、24時間レースのゴール時間と重なるのを避けてF1レース(アゼルバイジャン)のスケジュールを組むことができるだろう。それが我々にできる最善の妥協だ」関連:2016年 F1カレンダー:世界モータースポーツ評議会が承認
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