フェラーリは2026年F1パワーユニット(PU)の開発において、重要な人物2名を失うことが明らかになった。AutoRacer.itの独占報道によれば、これは新規則が導入される来季に向けたマラネロの体制に大きな影響を及ぼす可能性がある。マラネロではここ最近も組織の変更が続いているが、今回はとりわけ重い人事となる。2025年シーズンはここまで大きな失望に終わっており、来季に向けた巻き返しが求められる状況だ。
そんな中でPU開発の中核を担う人材を失うことは、スクーデリア・フェラーリにとって痛手になり得る。報道によると、フェラーリは2026年PUプロジェクト責任者であるヴォルフ・ツィマーマンと別れを告げることになるという。ドイツ人エンジニアのツィマーマンは、マッティア・ビノットが率いるアウディのプロジェクトに合流する可能性が高いとされている。ツィマーマンはフェラーリに11年間在籍し、2023年から来季用PU開発の指揮を執ってきた。さらに、内燃機関部門のチーフエンジニアであるラース・シュミットも同様にアウディへ向かうとされており、この2人の流出はフェラーリにとって大きな打撃となる見通しだ。一方で、エンリコ・グアルティエリへの信頼が改めて強調され、今後は彼がPUプロジェクト全体の責任を担うことになる。来季に関しては、メルセデスがPU開発で優位に立つとの見方もあり、フェラーリには過去のような長期的な支配を再現させない使命が課せられている。イタリアGPの際にフレデリック・バスール代表も「我々は2026年に完全に集中している」と明言しており、ライバルチームも同様に今季の開発を事実上止め、すでに2026年へ照準を合わせている。