フレデリック・バスールは、ハンガリーGP後に急速に高まった憶測にもかかわらず、ルイス・ハミルトンがフェラーリやF1から去ることはないと断言した。予選後、ハミルトンは自らを「役立たず」と評し、「フェラーリは他のドライバーを起用すべきだ」と語っていた。その発言が冗談かどうか問われた彼は、日曜の決勝後に「いや、まったく本気だった」と返答した。
ハミルトンは日曜のレース後、Skyイタリアにこう語った。「今季には何の期待もしていなかったけど、それにしてもこれまでのどのシーズンよりも酷い。自分の言ったことは本心かって? そういう気持ちだったってことだ」「裏ではいろいろと良くないことが起きている。とにかく、しばらく仕事をしなくていいことが楽しみなんだ」これに対してチーム代表のバスールはこう応じた。「いや、絶対に彼は我々のために走り続ける」「昨日の午後、昨夜、そして今朝も話をした。私はルイスの反応を理解している。彼はチームにも、私にも非常に厳しいが、何より自分自身に対して厳しい。彼が7度の世界王者なのは、こうした姿勢で全員を、特に自分自身を常にプッシュしてきたからだ」彼は戻ってくるし、再び戦ってくれる」DAZNのコメンテーター、アントニオ・ロバトはこう評した。「彼は今、どん底にいる。これまで見た中で最もモチベーションを失ったルイス・ハミルトンだ。自分自身に対して非常に厳しい言葉を投げかけていた」「彼はこの穴から自力で抜け出さなければならないが、独りでできるかどうかは分からない。誰かの助けが必要かもしれない」元F1ドライバーのラルフ・シューマッハは、ハミルトンが本気で引退を考えている可能性があると示唆した。一方、F1のCEOステファノ・ドメニカリはこう述べた。「彼がここにいる理由を、きっと示してくれると私は確信している」「彼は8回目のタイトルを手に入れたがっているし、再び栄光を手にするだろう」ハンガリーGPに現れたバーニー・エクレストンは、こんな冗談を飛ばした。「ルイスが8回目のタイトルを獲る方がまだあり得るな。ホーナーと一緒にアルピーヌを買うなんて話よりはな」また、ハミルトンの古巣メルセデスの元上司トト・ヴォルフもこう語っている。「ルイスは感情を隠さない。それはこれまでもあったことだ。彼はときに自信を失うが、史上最高のドライバーだ。誰にもそれは奪えない」「彼にはF1でまだ成し遂げるべきことがある。メルセデスはこの現行レギュレーションに対応できなかった。そしてルイスはグラウンドエフェクトカーにずっと満足していなかった。そういう意味では、彼に合うクルマじゃなかった」「来年にはまったく新しいクルマが登場する。全然違うドライビングスタイルになるし、新しいパワーユニットも導入される。エネルギーを賢くマネージする必要があるだろう」一方、ハンガリーGPでポールポジションを獲得したシャルル・ルクレールは、レース中に無線で激怒。その後、謝罪し、彼とバスールはともにシャシーの問題が不振の原因かもしれないと示唆した。メルセデスのジョージ・ラッセルは、フェラーリがフロアの損傷を避けるためにタイヤ圧とエンジンモードを引き上げた可能性を指摘した。「まあ、彼(ルクレール)は、違法スレスレだったなんて言わないだろうね。僕たちがラップタイムとエンジンモードから導き出せる唯一の説明がそれなんだ」