フェラーリのフレデリック・バスール代表がF1オーストリアGP決勝日を欠席したことで、副代表のジェローム・ダンブロジオが現場を指揮する形となったが、本人は「チーム代表デビュー」との見方を否定している。レッドブル・リンクでの週末は、フェラーリにとってまずまずの内容となった。アップグレード版SF-25の初実戦となったこの週末、シャルル・ルクレールは予選で2番手を獲得し、決勝でも3位でフィニッシュ。今季4度目の表彰台を獲得した。一方、ルイス・ハミルトンは4位に終わった。
バスール代表の不在とダンブロジオの代行決勝日の朝、フェラーリは以下の声明を発表し、バスールの不在を明らかにした。「フレッドは個人的な事情により帰国したため、本日は現地に不在です。副代表のジェローム・ダンブロジオが代行を務めます」この状況で現場の指揮を執ることになったダンブロジオは、レース後にメディアの取材に応じ、以下のように語った。「今日は自分がチーム代表を務めたとは思っていない。副代表としての職務を全うしただけだ。フレッドが離脱することになった場合は、自分が代わりに対応するというのが役割の一部だ」「今日は順調に進んだと思う。なぜなら我々には強力なチームがあるからだ。裏方にも優れたスタッフが揃っているし、エンジニアリングチームもメカニックも素晴らしい仕事をしてくれた。だから自分としては、とてもスムーズに感じた」「フレッドとは1日20回話す」「ファクトリーでもレース現場でも、僕はフレッドと1日に20回は会話している。我々はしっかり連携しているから、まるで“いきなり放り込まれた”ような感覚は全くなかった」「今年は多くのレースに帯同しているし、いつもピットウォールに座ってチームと共に戦っている。だから今日も、これまでと大きく異なることはなかった」元F1ドライバーとしての経歴とフェラーリ入りジェローム・ダンブロジオの名前は、F1ファンにはおなじみかもしれない。彼はマルシャとロータスで通算20戦に出走した元F1ドライバーだ。引退後はメルセデスでドライバー育成ディレクターを務め、トト・ヴォルフ代表の信頼を得て、日本GPやカタールGPでは代行代表を務めたこともある。そして2024年、ダンブロジオはフェラーリに移籍。現在は副チーム代表およびドライバー・アカデミー責任者を兼任している。