フェラーリF1代表フレデリック・バスールは、チーム上層部からの信頼を維持しており、自身の将来に関する憶測は「存在しない問題」だと強調した。2025年F1カナダGP週末を通じて、フェラーリの成績不振を受けたバスール解任説が再浮上。独『Auto Motor und Sport』のマイケル・シュミット記者は、フェラーリ会長のジョン・エルカーンがレッドブル・レーシング代表クリスチャン・ホーナーと面会し、WEC部門責任者アントネロ・コレッタの昇格案を検討していると報じた。
さらに、バスールを公には支持しているとされるシャルル・ルクレールとルイス・ハミルトンも、週末のチーム運営への不満を隠しきれなかった。ルクレールは予選・決勝ともに無線で激しく議論し、「チームは僕の立場を理解している」とSky Italiaに語ったうえで「噂は集中力を乱すが、深刻な影響はないと思う」と冷静に分析した。一方のハミルトンは、「明らかに今すぐアップデートが必要」と訴えた上で、「なぜ他のチームは投入できていて、我々はできないのか分からない」と疑問を呈した。また、「現在、舞台裏でいくつかの大きな動きがある」とも語り、「今季のタイトル獲得は不可能だが、僕は来年に向けて必要な変化をチームに促そうとしている」とも述べた。これに対しバスールは、2025年型マシンへのアップデートが急務だという意見には同調せず、「近いうちに投入するが、問題の本質はアップデートではない」と反論。「予選でパープルセクターが出せるということは、マシンが機能していないわけでも、アップデートがないからでもない」と指摘し、「重要なのは自分たちに集中することだが、今週末はそれができていなかった」と振り返った。バスールはSky Italiaに対し、自身の去就に関する報道に苛立ちを見せた。「会社が私を支持しているか? もちろんだ。これは存在しない問題だ。チームは足並みを揃えており、同じ方向を向いてプッシュしている」「今必要なのは冷静さだ。外部とも内部とも争うようなことはしたくない。我々は団結し、チームとして働かねばならない」「メルセデスを見てみろ。3戦連続で苦戦していたが、改革はせず、そして今日結果を出した。我々は選手権2位にいる。悲観するような事態でも、世界の終わりでもない」57歳のフランス人指揮官は、緊張がパフォーマンスに影響を与えている可能性を否定しなかった。「ルクレールのミスやラジオの激しさが噂によるものか? 我々を取り巻く雰囲気はパフォーマンス向上の助けにはならなかった」「プレッシャーを感じてはいないが、確かに緊張感はある。そして接戦の中でこの状態だと、最大限の力を発揮できない。我々も、ドライバーも、心が穏やかではないんだ」
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