フェラーリは、フレデリック・バスールのF1チーム代表としての立場に関する憶測が高まる中で、彼のリーダーシップに疑念はないと主張し、これを強く否定した。イタリアの名門は2025年シーズンの序盤で苦戦を強いられており、両選手権においてライバルであるマクラーレンに後れを取っている。それでも、シャルル・ルクレールの3度の表彰台獲得がフェラーリをランキング2位に引き上げる一助となっており、現在のところマクラーレンとは197ポイント差で離されている状況だ。
イタリアのメディア『Corriere della Sera』は、シーズン序盤の「不満足な」スタートを受けてバスールの将来に疑問が持たれていると報じ、フェラーリのエンデュランス部門責任者であるアントネッロ・コレッタが後任候補として名前が挙がっていると伝えた。しかしスクーデリア側はこの件についてコメントを求められると、この噂に事実はなく、「全くの憶測(fantasy)」だとして一蹴した。コレッタはフェラーリのル・マン・プログラムも統括しており、バスールの後任として有力視されているが、同報道ではフェラーリ会長ジョン・エルカーンがレッドブル・レーシング代表のクリスチャン・ホーナーに長年関心を寄せ続けているとも伝えている。ホーナーは先日のバルセロナGPでこの件について質問を受けたが、フェラーリからの関心に対し「自分は100%レッドブルにコミットしている」と強調した。一方、フランス人代表であるバスールに対するプレッシャーは依然として続いており、チームは今季まだ1勝も挙げられておらず、モナコGPでのルクレールの惜しい勝利も届かなかった。チームメイトであるルイス・ハミルトンは、上海でのスプリントレースで優勝を飾っているが、今季メインレースではまだ表彰台に上がっていない。スペインGPを振り返り、ハミルトンはそれが「フェラーリでのキャリアで最も厳しいレースだった」と語っている。