カート世界王者のロシア人ティーンエイジャー、キリル・クツコフ(16歳)が、F1チームによる若手育成プログラムの実態について驚きの証言を行った。2023年、フェルナンド・アロンソが支援するチームでカート世界選手権を制したクツコフは、フェラーリ・ドライバー・アカデミーからオファーを受けたという。
「世界選手権で優勝した後、フェラーリ・アカデミーから連絡がありました」とクツコフはロシアメディア『Championat』に語った。「サポートを受け、キャリアアップを目指す契約書も送られてきました」しかし、そのオファーには思わぬ「条件」が付いていた。「アカデミーに加入するためには、こちらが費用を支払う必要がありました」と現在はウクライナ侵攻の影響でキルギス国籍でレース活動を行うクツコフは明かした。「だから正直、アカデミーはPR目的にすぎないと思います」キリル・クツコフ一部では、ロシア出身ドライバーに対するF1チーム側の忌避感が背景にあるのではないかとの見方もある。元ハースF1ドライバーのニキータ・マゼピンもF1復帰を断念した事実を告白している。「以前は制裁が解除されればF1に戻れると思っていた」とマゼピンは語る。「しかし、制裁解除後にチームと話をしたところ、『君と契約すれば2つの新スポンサーを獲得できるが、5つのスポンサーを失う』と言われた。ロシアに関わること自体を避けたがる」それでもクツコフは、支払いを求められるのはロシア人ドライバーに限った話ではないと強調する。「僕のスイス人チームメイト、ナタナエル・ベレビーも同じ状況です」とイタリアF4に参戦中のクツコフは続けた。「彼も来年、レッドブルと契約したいと考えていますが、自分で費用を払うことになると聞いています」「もちろん、実際にチーム側から全面的なサポートを受けられるケースもあります。でも今は、現実に即して動いていくしかありません」
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