スクーデリア・フェラーリのF1チーム代表であるフレデリック・バスールは、2024年のF1コンストラクターズ選手権でマクラーレンに僅差で敗れた主な要因として、圧倒的な速さよりもチャンスを逃したことを挙げた。アブダビでダブル表彰台を獲得したにもかかわらず、フェラーリはマクラーレンに14ポイント及ばず、ランキングで2位となった。
フェラーリは2023年から著しい進歩を見せ、勝利数は4回、表彰台は13回、獲得ポイントは246ポイント増加したが、バスールはチームと世界タイトル獲得のポテンシャルを隔てる僅かな差について考えずにはいられなかった。「良いシーズンだったが、十分ではない」とアブダビで行われたシーズンフィナーレを終えたバスールはコメントした。「1年前と比較すれば、ピットストップ、戦略、信頼性など、あらゆる面で大きな前進を遂げたと思う。純粋なパフォーマンスの面でもね」「確かに最終的に14ポイントが足りなかったのは事実だが、80ポイントも100ポイントも離されていたら、それほどフラストレーションは感じないだろう」「今夜は、今シーズン14ポイントを失ったレースのことが頭にたくさん浮かんだが、それも現実だ。マクラーレンにもいくつか問題があったし、来年はもっと良い仕事をする必要があるが、自分たちの歩んできた道のりにはかなり誇りを持っている」フェラーリはレッドブルの最強のライバルとしてシーズンをスタートしたが、スペインで導入されたアップグレードパッケージに問題があり、マシンのパフォーマンスを妨げる深刻なバウンシング問題を引き起こした。これがシーズン中盤のスランプの引き金となり、フェラーリは安定した結果を出すのに苦戦した。「リストにはしたくないが、カナダでは盛り返した」とバスールは振り返る。「紙の上では、カナダは我々にとって良いレースだったと思う。しかし、カナダからダブルゼロで戻ってきたのは、少し厳しかった」「その後、アップグレードを施して3~4レース連続で苦戦した。この期間、マクラーレンに足して80ポイントか90ポイントくらい失ったと思う」夏休み中のフェラーリの比較的芳しくない結果、特にオーストリアやシルバーストーンでの出来事は、彼らの苦境をさらに深刻化させた。しかし、この期間以外でも、チャンスを逃したレースがいくつかある。「バクーのような厳しい週末もあった。シャルル(ルクレール)と2位を獲得したとはいえ、2位以上の結果を残せる位置にいたと思う」とバスールは付け加えた。「シンガポールは、予選で2台のマシンが9位と10位という厳しい結果に終わった。もっと良い結果を期待できたと思うが、これはマクラーレンにも言えることだ」モンツァで導入されたアップグレードパッケージを背景に、フェラーリは最終9レースで3勝を挙げ、マクラーレンとの競争に再び食い込むことができた。今シーズンで最も誇りに思うことは何かと尋ねられたバスールは、逆境から立ち直るチームの能力を強調した。「モナコで海に飛び込んだときだ」とバスールは冗談を言い、すぐに真剣な反省へと話を切り替えた。「いや、いや、もっと真剣に言えば、我々が改善し、厳しい局面で対応できたことだと思う」「良い結果を出すために、良いダイナミクス、ポジティブなダイナミクスを備えることは、ある意味で重要だ。しかし、スペインやオーストリアで経験したような苦境に陥った時に、それに対応できることは、チームの将来にとって非常に重要だ」「このような対応力こそが、我々の将来を築き、お互いの信頼を築く上で重要であり、今シーズンで最も重要なステップだったと思う」フェラーリとマクラーレンの戦いは、最終的には僅差に帰結した。両チームとも年間を通して素晴らしいパフォーマンスを見せたが、重要な局面でのスクーデリアの一貫性のなさが明暗を分けた。「0.2秒速いペースがあれば、常に良い結果につながる」とバスールは認めた。「しかし、トラックからトラックまで、最終的にはマクラーレンとほぼ同数の勝利を収めたと思う。今日、彼らは1つ多いかもしれない」「予選では彼らの方が少しパフォーマンスが上だったが、レースではおそらく我々の方が少しパフォーマンスが上だった。しかし、本当に僅差だった。私は、それは何か他のことよりも状況によるものだと思う」速いマシン、より一貫したアプローチ、ジェットコースターのような2024年から得た教訓により、フェラーリファンはチームの好調な流れに安堵している。しかし、今のところ、マラネロでは「こうなっていたかもしれない」といういうほろ苦い思いが残っている。