カルロス・サインツは、スクーデリア・フェラーリの2024年F1マシンについて、シミュレーター上では先代モデルとは「異なる挙動」を示しているとしながらも、その真の資質とポテンシャルを見極めるにはプレシーズンテストまで待つ必要があると主張している。フェラーリは予選でサインツとルクレールを擁して7回のポールポジションを獲得するなど印象的なパフォーマンスを見せたものの、SF-23のレースペースは常に物足りず、レッドブルから大きく離されてF1コンストラクターズランキングで総合3位に甘んじた。
2023年型マシンのアキレス腱は不安定なリアエンドで、しばしば予測不可能な挙動を引き起こし、レースパフォーマンスを低下させていた。この問題によってチームはマシンのセットアップをアンダーステア方向にシフトさせたが、ルクレールには不利な戦略だった。しかし、日本GPで実施されたフロアのアップグレードにより、シーズン後半には進歩を遂げた。2024年シーズンを目前に控え、フェラーリは新たなデザインコンセプトを採用しており、サインツはそれが先代モデルの欠点を補う有望な代替案になると信じている。これまでのところ、マラネロでのシミュレーションテストではマシンのハンドリングが変わっており、2024年により安定した競争力を発揮するための希望の光が見えている。しかしサインツは、2月にバーレーンで行われるトラックテストがその証拠になると示唆する。「テストまで待つ必要があると思う」とサインツは語った。 「それを知るのは信じられないほど難しいと思う」「シミュレーターでのクルマの挙動は確かに違う。でも、クルマに100キロの燃料を入れて、タイヤを使ってみないと、実際にタイヤがどうなっているのか、ペースがどうなっているのか、レースペースがどうなっているのかを見ることはできない」「それはバーレーンでトラックに投入してみなければわからない。それまでは、風洞でマシンにパフォーマンスを加え、より良くすることに集中すればいい」フェラーリが2024年F1マシンをレッドブルとの戦いに挑むために全体的に最高のバージョンを設計しようと努める中、サインツはスクーデリアがSF-23の長所、すなわち直進スピード、ショートコーナーでの俊敏性、縁石への対応力などを放棄する必要があるかもしれないと認めている。そのためフェラーリの現在の焦点は、2023年シーズンに重くのしかかったパフォーマンスの変動をなくすために、一貫性を高めることにある。このアプローチの転換は、2024年にタイトルを狙うというチームの決意を反映したもので、特定のトラックでの強さよりも全体的なバランスと日々のペースを優先している。「僕たちはそれを理解し、今はとにかくクルマをトラックに置き、毎週末それを最大化するよう努めています。僕たちはそれに関してはるかに良い仕事をしているとう」とサインツは付け加えた。「このようなパフォーマンスの変動が起こるなんて、ほとんど信じられない。でも、これが今のF1なんだ」「今は、なぜこのクルマが強いのか、なぜ他のタイプのサーキットやコーナーでは弱いのかを理解することに集中する必要がある」スクーデリア・フェラーリは、2024年F1マシンを2月13日に発表することを明らかにしており、チーム代表のフレデリック・バスールは“95%”が先代モデルとは異なるパーツとなることを明らかにしている。新型フェラーリはSF-23と比べてデザイン面で「革命」を起こしたのか質問されたとバスールは「その言葉が適切かどうかはわからない。3年連続で同じレギュレーションだから、状況を大きく変えることはできないよ」と語った。「繰り返しになるが、0.1秒の世界だ。それは我々が求めているパフォーマンスの0.1または0.2%であることを意味する。確かに、我々はは一歩を踏み出さなければならないが、私はこの一歩を過小評価していない」「そしてそれは、あなたの言葉では『革命』だろう…我々はマシンのコンポーネントの95%を変更している。おそらく、これは革命だと考えていただいてもよいだろうが、そうなるかどうかはわからない」「今、期待されているのは、自分たちに集中しているということ、我々は良い一歩を踏み出すことだが、最終的には常に比較の問題だ。他が120%アップしていれば、馬鹿に見えるだろうし、80%ならば、メガヒーローのように見えるだろう」「今のところ、最も重要なことは、プッシュし続けること、開発を続けること、ドライバーをプロジェクトの真ん中に置いて、彼らが開発に完全に参加することだ。今のところ、我々は正しい方向に進んでいる。他のチームが多かれ少なかれ正しい方向に進むかどうかは分からないが、バーレーンでそれが分かるだろう」
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