レッドブル・レーシングのDRSは2023年のF1パドックの羨望の的となっているが、フェラーリがレッドブルの強力なエアロパッケージを再現しようとしているとRacingNews365のテクニカルアナリストであるパオロ・フィリセッティが図解した。レッドブルのRB19 DRSの効果は、ライバルF1チームの間で最も重要な秘密になっている。フェラーリをはじめとするライバルチームの技術者たちは、そのパフォーマンスを再現すべく、正確な機能を少しずつ解読している。
このエレメントの効果を理解することは簡単な作業ではない。というのも、その効果はいくつかの要因に左右されるからだ。これらのエレメントは、単なるエアロダイナミクスにとどまらず、マシンのダイナミクス、特にDRS作動時のリアサスペンションの挙動にまで及んでいる。空力的なレベルでは、DRSの作動とマシンのディフューザーとの相互作用が重要であることが明らかになっている。ディフューザーはストレートの最高速度でストールし、その作動しきい値はマシンの空力的構成(高、中、低ダウンフォース)に応じて変化することが、他のチームにも理解されるようになった。このしきい値は、採用した構成が生成するダウンフォースに反比例する。基本的に、しきい値は、最大荷重構成で約230km/h、低荷重構成で約260km/hの範囲となる。しかし、もう一つの重要な要因は、ディフューザーチャンネルのプロファイル、特にその断面であるようだ。フェラーリの改良されたエアロパッケージ最近のグランプリでの噂によると、ディフューザー中央部の球根状の形状が特に効果的であることが判明している。フェラーリがマイアミで球根状の中央部ディフューザーを導入したのは、驚くことではない。このレイアウトは、中央部の傾斜を大きくすることで、ディフューザーの膨張部を大きくしている。その結果、下流の気流の圧力を効果的に下げることができる。DRSが作動すると、スピードの上昇に伴い、リアサスペンションの弾性要素に垂直な方向の力が加わる。この圧縮によって、マシンのフロアのリアセクションは地面に近づくディフューザーの形状は、フロアと地面との距離を最小限のしきい値以上に縮めることで、加速された気流の圧力を大幅に減少させる。その結果、発生する荷重とそれに伴う空気抵抗が大幅に減少する。最終的には、これにより、マシンの上部と下部の両方で前方への動きに対する抵抗が軽減される複合効果が得られると要約でる。これは、他のシングルシーターではこれまで達成できなかった偉業だ。
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