メルセデスのF1エンジンの第一人者であるアンディ・コーウェルが、フェラーリからのオファーに断りを入れたとイタリアメディアが報じている。フェラーリは、2020年シーズンの悲惨なスタートの後、チーフエンジンデザイナーを探している。現状、フェラーリはコンストラクターズランキングで5位に沈んでおり、首位のメルセデスから160ポイント差をつけられている。
シャルル・ルクレールは、SF1000の問題は“全体的なパッケージの問題”であると主張しているが、最も重大な低下は明らかにエンジン部門にある。チームとFIAとの間の未公開の和解以来、フェラーリはF1エンジンの出力の点でメルセデスに後れをとっている。F1イギリスGPではメルセデスのF1エンジンは1022馬力に到達していたが、フェラーリは980馬力に留まっていたとされている。。フェラーリは、必死になって技術部門を再編し、新たに“パフォーマンス部門”を新設。しかし、問題はまだまだ根深いものだと考えられている。フェラーリのジョン・エルカンCEOは、フェラーリが勝利を目指せるようになるのは早くても2022年だと語っている。2022年に新しいレギュレーションの導入されるが、それに応じて準備するためにも大規模な再編成プロジェクトを実施する必要がある。そのため、フェラーリはエンジン部門の再構築も検討しており、イタリアのメディアによると、元メルセデスのアンディ・コーウェルとすでに接触している。コーウェルは、2014年のV6ハイブリッド時代の変わり目にチームの成功に尽力したが、今年7月にメルセデスを去った。アンディ・コーウェルは、“パワーユニット部門の再構築への招待を辞退”したとされ、フェラーリは新しいF1エンジンデザイナーを探し続けていると言われている。イタリアメディアはまた、フェラーリだけが経験している問題に焦点を合わせている。「シルバーストン(FP2)でセバスチャン・ベッテルの6気筒が壊れ、バルセロナでは電気系の問題がシャルル・ルクレールを黙らせた。なぜか? 何かが間違っていることは明らかだ」フェラーリが変更を加えるまでは、残りのシーズンでマクラーレン、ルノー、アルファタウリと戦っているシャルル・ルクレールとセバスチャン・ベッテルは、テレビで定期的にフィーチャーされることになるだろう。