フェラーリF1チームは、2020年のF1世界選手権の困難なスタートを受けて技術部門を再編。新たに「パフォーマンス開発部門」を設置した。フェラーリF1は、2020年シーズンの開幕3戦で厳しいスタートを切っており、新車SF1000はライバルチームのペースからかなりの遅れをとり、レーシング・ポイントやマクラーレンと中団でポイントを争うことを強いられている。
開幕戦オーストリアGPではシャルル・ルクレールが2位表彰台、セバスチャン・ベッテルが10位入賞を果たしたものの、第2戦シュタイアーマルクGPでは同士討ちによるダブルリタイア、第3戦ハンガリーGPではセバスチャン・ベッテルが6位入賞のみとチームとして27ポイントの獲得でコンストラクターズ選手権で5位に位置している。このような結果を受け、地元イタリアメディアは、フェラーリF1のチーム代表を務めるマッティア・ビノットのポジションが脅かされているとは報じたが、今週初め、ビノットは「人員を解雇することがクルマを速くするわけではない」と主張していた。今回のパフォーマンス部門の新設について、フェラーリF1は“技術部門をより効果的な状態にして、パフォーマンス開発により全体的な重点を置くことを保証するため”に実施したと説明した。パフォーマンス部門の責任者には、これまで空力責任者と車両プロジェクトマネージャーを務めていたエンリコ・カーディルが昇進する。「数日前から示唆していたように、我々はマシンのパフォーマンス面における設計と開発をスピードアップするために組織の技術面に変更を加えた」とマッティア・ビノットは語った。「技術的な人材プールに対する当社の信頼を再確認しながら、責任と作業プロセスの明確なラインを定義するために方向転換が必要だった」「エンリコ・カーディルが運営する部門は、ロリー・バーンとデビッド・サンチェスなどの確立されたエンジニアの経験を頼りにすることができる。マシン開発の要となるだろう」「我々はフェラーリの人材が最高レベルだと信じており、その点において主要な競合他社を羨ましく思うことはない。だが、部門長の責任のレベルを引き上げるという決定的な変更を行う必要があった」「何度か言ってきたことだが、価値があるので繰り返し述べることにする。我々は新しい永続的な勝利サイクルにつながるプロセスの基礎を築き始めた」「しばらく時間がかかるだろうし、結果やパフォーマンスという点で我々は現在経験しているような挫折に苦しむことになるだろう」「しかし、我々はこれらの欠点に強さと決意をもって対応し、できるだけ早くこのスポーツの頂点に返り咲く必要がある。これが我々全員が望んでいることであり、世界中のファンが我々に期待していることだ」フェラーリF1の他の主要部門に変更はなく、パワーユニット部門はエンリコ・グアルティエリ、スポーティングディレクターはローラン・メキエス、シャーシエンジニアリング部門はシモーネ・レスタが引き続き担当する。