フェラーリF1は、2020年のF1世界選手権 第2戦 F1シュタイアーマルクGPの決勝でチームメイト同士の接触によってポイントを獲得できなかった。波乱の展開となった開幕戦ではシャルル・ルクレールが2位表彰台を拾ったフェラーリだが、予選ではルクレールが7番手タイムを記録も、ベッテルはQ2敗退を喫しており、パフォーマンス不足は明快だった。
そのため、フェラーリF1は第3戦で導入予定だったアップデートを急遽オーストリアの第2戦に持ち込んだ。しかし、状況はさほど変わることなく、シャルル・ルクレールがQ2敗退を喫した。フェラーリF1は、新型フロントウイングとディフュザーを含めた空力アップグレードを投入し、シャルル・ルクレールのマシンでは実験的なフロアをテストしていた。決勝ではオープニングラップでシャルル・ルクレールがセバスチャン・ベッテルのマシンサイドに突っ込んでリタイアに追い込むとともに、自らもフロアを破損してリタイア。ノーポイントで週末を終えることになった。フェラーリF1のチーム代表を務めるマッティア・ビノットは、現在のパフォーマンスは“フェラーリという名前に値しない”と語り、“この状況を変えなければならない”と誓う。土曜日の予選後、マッティア・ビノットは「我々は十分に速くなかった」と語った。「本当に残念な日だ。ストップウォッチは決して嘘をつかないということを受け入れなければならない。2つの予選セッションでコンディションは異なるが、我々は過去数年間に最も近いライバルである人たちだけでなく、昨日まで一般的に我々の後ろにいた他の人々に対しても競争力がなかった」「我々は計画より早くマシンにアップデートをもたらすために非常に一生懸命に働いた。だが、それらはコース上でその価値を示さなかった」「理由を解明し、この状況を変える必要がある。これは、フェラーリという名前のチームにとっては十分ではない。我々はそのことに気を取られてはいけないが、事実を無視することはできない」そして、決勝では同士討ちという最も避けなければならない展開。マッティア・ビノットは「ほんの数周で2台のマシンがガレージに戻ってくるのを見るのは苦痛だ、ひどい苦痛だ」と語った。「集団の真ん中でスタートすればこのようなインシデントは常に起こり得ることだ。責任の割合を指摘するのは無意味だ。元々、失意の週末だったが、考えられる限り最悪の結末だ。我々はレースにほとんど参加していないが、2台がリタイアする接触を起こした事実から隠れることはできない。しかし、今は非難する時ではない。それよりも自分たちの仕事に取り掛かるべきだ。厳しい時ほど人の優れた面が引き出されるものだ。それをここで証明したい」 フェラーリF1の競争力不足は車体だけでない。カスタマーチームのハースとアルファロメオは予選トップ10に入ることができておらず、F1エンジンのパワー不足も露呈されている。皮肉なことにF1シュタイアーマルクGPの予選では、来季からフェラーリF1加入が決まっているカルロス・サインツがマクラーレンでセンセーションナルな3番グリッドを獲得。来年も同じシャシーが使用することを考えれば、サインツのフェラーリF1移籍はステップダウンとなるかもしれない。
全文を読む