4月21日(土)~22日(日)に、三重県の鈴鹿サーキットでいよいよ全日本F3選手権の2018年シーズンが幕を開ける。これまでの長い歴史のなかで、国内外で活躍するトップドライバーを多く輩出しており、若手の登竜門としても知られる同カテゴリー。今年も、国内外でさらに上を目指すドライバーたちがその覇を競う。
今シーズンの注目株は、鈴鹿サーキット・レーシングスクール(SRS)出身のドライバーたち。今シーズンは阪口晴南(2015年首席卒業)、大湯都史樹(2016年首席卒業)という2人がTODA RACINGから参戦。また、笹原右京(2016年次席)がThreeBond Racingから参戦する。すでに全日本F3選手権のテストは、2017年12月19(火)~20日(水)に鈴鹿で、そして2018年に入って3月13(火)~14日(水)に鈴鹿、3月30日(金)に富士と3回の合同テストが行われてきたが、なかでも好調なペースを見せているのが阪口。全日本F3にステップアップして3年目となり、なにより結果が求められる年となるが、その期待に応えるかのように12月の鈴鹿では総合2番手、そして3月の鈴鹿では3番手と、トップ争いに加わることを予感させている。これまで阪口は表彰台登壇の経験こそあるが、まだ優勝はない。「自分自身がレベルアップしたい」と初優勝、そしてチャンピオンを見据え、高いモチベーションでシーズンに臨もうとしている。ただ阪口にとって安穏としていられないのは、チームメートとなる大湯の存在。これまでFIA-F4でも速さを見せつけ、F3でも12月のテストから持ち前の速さを発揮してきている。初年度とは言え、「目標は早い段階での優勝です。チャンピオンも目指したい」と語る大湯。周囲のライバルを打ち破るのはもちろん、F3の先輩である阪口にも勝とうという意気込みが伝わってくる。もう一人の注目株が、ヨーロッパですでにF3の経験をもつ笹原です。2017年にはFIA-F4に参戦し、ランキング2位を獲得。欧州で揉まれたメンタルは強靭で、坂口、大湯より2~3歳年上の22歳という年齢からも、今シーズンで結果を残すことにこだわっている。チームは2018年に向けて新しいシャシーも投入しており、3月の鈴鹿テストではそのセットアップに苦しんだものの、富士では確かな手応えを得た様子だ。今季はライバル勢も優勝を争うポテンシャルを持っており、SRSスカラシップ候補生だった河野駿佑(RS FINE)など、注目のニューカマーも多数参戦。トップを目指す若武者たちの戦いから目が離せそうにない。