F2ドライバーのルカ・ギオットは、資金のなかったアレクサンダー・アルボンがトロロッソのF1シートを獲得できたことは、自分もF1で走る機会を得られるかもしれないという希望を与えてくれていると語る。ルカ・ギオットと同様にアレクサンダー・アルボンは定期的に資金に苦しんできた。昨年、アルボンはDAMSからF2に参戦したが、最初の3ラウンドはDAMSと1戦ごとの契約という崖っぷちの状況でスタートした。
だが、アレクサンダー・アルボンは、最初の4レースのうち3レースでポールポジションを獲得して残りのシーズンの契約を確保し、最終的に4勝、4度の表彰台を獲得してジョージ・ラッセル、ランド・ノリスに次ぐランキング3位でシーズンを終了。日産e.damsとフォーミュラEへの参戦契約を結んでいたアレクサンダー・アルボンだが、過去にジュニアドライバーを外されていたレッドブルの目にとまり、トロロッソのF1シートを獲得することになった。「確かにアレックスのケースはそのひとつだし、僕もF1にたどり着くことができるという希望を与えてくれている」とルカ・ギオットは Autosport にコメント。「F1ではドライバーに多くの転機があるように思える。とにかく僕は仕事をして、ベストを尽くさなければならない。その上で何が起こるか見てみるつもりだ」「今年の目標はチャンピオンシップに勝つことでなければならない。他に言うことはない」「来年についてはずっとF1で場所を見つけられることを望んでいる。それがリストで一番のターゲットだからね」「頭が良くなければならない。僕には金持ちの家族がいないし、お金でF1に到達することはできない。チームからの援助が必要だ」アレクサンダー・アルボンと同様に、ルカ・ギオットも波乱のシングルシーターキャリアを送ってきた。2015年にはタイトルを獲得したエステバン・オコンには及ばなかったものの5勝を挙げている。翌年はトライデントからGP2に参戦して1勝を挙げ、2017年にはロシアン・タイムに移籍してランキング4位で終え、ウィリアムズでのF1テストの機会を得ている。だが、2018年にカンポス・レーシングへと移籍したルカ・ギオットはランキング8位に後退。だが、今季は旧ロシアン・タイムであるVirtuosi Racingに移籍。レース1ではポールポジションを獲得し、一時は8番手まで順位を下げながらも2位でフィニッシュ。レース2ではスプリントレースでピットインするという戦略をとって優勝。ランキング首位に立っている。「過去4年間で初めてGP3でオコンと戦っていた年のように感じることができた」とルカ・ギオットはコメント。「クルマは望んだとおりに走って切れたし、走っていて楽しかった。本当に楽しむことができた」「うまくいっていて、クルマが望んだは走りをさせてくれているときは、ドライバーとして世界で最高の気分だと思う。それが最終目標だ」「それをF2マシンで初めて感じることができた。この3年間は非常に厳しい状況だったけど、ようやく僕たちは良い状態にいる。僕もね」
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