2026年F1レギュレーションの本格導入を前に、FIAは新世代マシンの空力負荷が最大で25%削減されることを正式に認めた。バルセロナでのシェイクダウンを経て、ドライバーからはすでに従来型とは大きく異なるフィーリングが報告されている。新時代のマシンは、軽量化・ナロー化・空力負荷削減という明確な哲学転換のもとに設計されており、F1は“F2的”とも形容される新たなドライビング特性へと踏み出した。
ランド・ノリスは、バルセロナでの走行後に次のように語った。「ある意味ではF2マシンのように感じる。特にドライブの仕方という点でね」この発言はフェルナンド・アロンソにも伝わり、記者団の前で軽妙な応酬が展開された。「彼は僕たちよりも大きな一歩を後退したんだろう」とアロンソは冗談めかして語った。「彼らは100か120ポイント分のダウンフォースを失ったんじゃないか。僕たちはそこまで失っていないから、適応はずっと楽だと思う」冗談の裏側には、明確な技術的転換がある。FIAテクニカルディレクターのヤン・モンショーは、新型車が2025年型よりも大幅に低い空力負荷で走っていることを認めた。「単純に言えば、マシンはより少ないダウンフォースで走っている。それは意図的な決定だった」具体的な数値を問われると、モンショーはこう明かした。「20%から25%だ」この削減は、2026年の設計思想そのものを象徴している。軽量化と機敏性の回復、そしてドライバーの操作感覚を重視する方向への転換だ。「この20年でマシンは常に重くなってきた。それはドライバーからの批判の対象でもあった。機敏さが失われ、世界最高のドライバーにとって“楽しいクルマ”ではなくなっていた」とモンショーは説明する。「今回の新レギュレーションでは重量削減が明確な目標だった。2年前に設定した数値は野心的だったが、チームとの何度も繰り返した議論の結果であり、挑戦的だが可能だと判断して全面的に踏み込んだ」FIAシングルシーター部門ディレクターのニコラス・トンバジスも、ドライバーがすでに変化を体感していると語る。「これは第一歩だが、その第一歩の段階でもドライバーの最初のコメントは『違いを感じる』というものだ」「彼らはマシンがより機敏になったと実際に身体で感じている。それは言葉だけではない」一方で、重量削減が安全性を犠牲にしたわけではないと強調する。「安全性が損なわれることは決してない」「この20年間で重量が増えた大きな理由は安全対策だ。ハロ、強化されたノーズやサイド構造など、マシンははるかに堅牢になり、その結果ドライバーはより安全だと感じている」空力負荷の減少は、同時にドライビング難度の上昇も意味する。「ダウンフォースが少ないマシンはより扱いが難しく、ブレーキングでタイヤをロックしやすくなる」とモンショーは指摘する。「以前は全開でほぼ直線のように走れた区間が、今ではスキルが重要になるコーナーへと変わる」2026年F1は、数値上の25%削減以上に、哲学そのものを刷新するシーズンになる。絶対的な空力依存から一歩引き、よりドライバーの技量が前面に出る世界へ。F1は再び“操るスポーツ”としての色合いを強めつつある。
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