2018年F1マシンではTウィングが禁止されるが、F1チームはレギュレーションの抜け穴を見い出し、マシン後方のダウンフォースを取り戻すために“ローTウィング”でデザイン戦争を繰り広げることになりそうだ。昨年、マシン中央部分にレギュレーションの抜け穴を見い出したF1チームは、パフォーマンスを改善させるためにシャークフィン後端の高い位置にハンガーのような“Tウィング”を生み出した。
しかし、その見た目の醜さにF1ファンから多くの批判の声が寄せられたこともあり、2018年のレギュレーションではTウィングを禁止するように改訂された。だが、F1チームは小さなウィングが気流を管理してダウンフォースを増加されるメリットを認識しており、2018年F1マシンでもそのコンセプトが無視されることはほぼなさそうだ。F1チームは、Tウィングとモンキーシートの禁止によって失われるダウンフォースを取り戻すために新しいエリアに装着するTウィングを開発することになるだろう。なぜなら、シャークフィンとハイTウィングを禁止にした2018年のレギュレーションの文言には別のエリアで悪用できる余地がまだ残されてしまっている。F1レギュレーションの3.5.1では、エンジンカバー部分を規制する三角形とリアホイールの中心線から前を繋いだ三角形で形成される長方形に近いエリアの開発が禁止されるが、基準面から550mと650mmの間の100mmの部分に小さな領域が残ってしまっている。昨年のテストでは、ウィリアムズがその領域で精巧なTウィング・コンセプトをテストしていた。ウィリアムズは、他チームと同じようにハイTウィングも開発しつつ、低い位置に第2のエレメントを搭載していた。このエレメントはリアウイングの下部エレメントに空力を送るだけでなく、その気流はディフューザーの効率を最大化するためにも重要となる。F1チームは昨年導入された新しい空力ルールのパフォーマンス面の理解を深めているため、今年はダウンフォースで大きなゲインを得ることが予想されている。マクラーレンのテクニカルディレクターを務めるティム・ゴスは「前進があると思っている。クルマは比較的に未成熟であるため、前シーズンよりも大きなステップになると期待している」と Autosport に述べた。