FIA(国際自動車連盟)のモハメド・ベン・スライエム会長は、物議を醸している侮辱語(いわゆる“放送禁止用語”)に関する規則について、改善の余地があるとして見直しを検討していることをSNSを通じて明らかにした。これは、2025年シーズンに向けて導入された新たな罰則規定に対して、FIAが統括する7つの世界選手権カテゴリーのドライバーたちから寄せられたフィードバックを受けての動きだ。
現在、FIAの記者会見やテレビ放送中のインタビューなど、公の場で侮辱語を使用した場合、初回の違反には1万ユーロの罰金が科されることになっている。ただし、F1においてはより厳格で、初回違反で4万ユーロの罰金、複数回の違反にはさらなる罰金に加え、1ヶ月の出場停止処分が科される可能性がある。これらの規定は、FIA国際スポーティングコードの附則B(Appendix B)に基づいており、今回その内容の改善が検討されている。スライエム会長はInstagram上で次のように述べている。「我々が統括する7つの世界選手権より、建設的かつ誠意ある意見を多数受け取っており、これを受け、附則Bの改訂を真摯に検討している。私自身、かつてラリードライバーとして競技に身を置いた経験を有しており、ドライバーたちが日々直面する厳しい状況を、他の誰よりも理解しているつもりだ。附則Bは、国際スポーティングコードの中核を成すものであり、我々のモータースポーツ・ファミリー全体にとって、本競技を広く開かれたものとする上で極めて重要な役割を担っている」「規則とは人の手によって作られるものであり、また人の手によって改善されるべきものである。私はこの“不断の改善”という理念を揺るぎない信条として掲げており、それはFIAのあらゆる活動の根幹を成すものである」FIAは今後、ルールの透明性と公平性を保ちながら、競技者とファン双方の意見を踏まえた改定を進めていくとみられる。