F1ドライバーになるためには、どんなに素晴らしい才能があっても非常に高価な資金を要する。メルセデスF1のチーム代表を務めるトト・ヴォルフがF1に到達するまでのキャリアにかかるコストについて解説した。オランダでは子供たちが新しいマックス・フェルスタッペンになることを夢見ており、イギリスではルイス・ハミルトンのような7回のF1ワールドチャンピオンになることを望んでいる。
しかし、F1への道のりは非常に高価であるため、誰もがF1ドライバーになるという夢を追求することは不可能だ。日本では2021年に角田裕毅がアルファタウリ・ホンダでF1デビューを果たすまで7年間日本人F1ドライバーは不在だった。トト・ヴォルフは、 Forbes のインタビューで、F1ドライバーになるためにかかる費用について解説。ここでトト・ヴォルフが言及した金額は、理想的なルートを辿ることができるドライバーのキャリアを例に挙げている。F1に向けてキャリアの最初のステップはカートとなる。トト・ヴォルフによれば、最高レベルに達して、フォーミュラカーへとステップアップするまでの数年間でそのコストは100万ユーロにのぼるとしている。マックス・フェルスタッペン、角田裕毅は9歳から、ルイス・ハミルトンやピエール・ガウリーは8~9歳でカートを始め、15歳になるとフォーミュラカーへとステップアップしている。カート後の次のステップは、通常、F4またはフォーミュラ・ルノーとなり、そこでシーズンごとに35万ユーロを費やす。その後、F3にステップアップ。通常のルートでは2年間レースを行い、コストは年間65万ユーロに上る。次は2020年にミック・シューマッハが優勝したF2にステップアップする必要がある。ミック・シューマッハは、他の多くのドライバーと同様にそのクラスで2年間走った。この2年間で、少なくとも300万ユーロ~400万ユーロに達する。トト・ヴォルフによれば、最大の問題はこの金額を減らすことができないということだ。「モータースポーツは大変なビジネスになっている。本当に金持ちのパパかパトロン必要だ」カート(複数年):100万ユーロ(約1億2000万円)F4 / FRenault:35万ユーロ(約4300万円)F3 (2年間):130万ユーロ(約1億6200万円)F2 (2年間):200万ユーロ(2億5000万円)F1 デビュー:300万ユーロ(約3億7500万円)合計:765万ユーロ(約9億5800万円)2018年のF3参戦時からホンダに加えてレッドブルのサポートを受けてきた角田裕毅は「そこからホンダさんとレッドブルが50:50でサポートしてくれるようになりました」と説明する。「どういうサポートがあるのかというと、レッドブル・ジュニア・ドライバーだといいチームに入りやすいということがあると思います」「サポートの内容に関しては他のドライバーとあまり変わらないと思いますが、結果を出せないと翌年はプログラムから除外されたりします」「その代わり、レッドブル・ジュニアは他のF1チームのジュニアとは異なり金銭的なサポートもあります。それに対してフェラーリやルノーは金銭的なサポートはなくて、参戦費用は自腹で、相応な結果が出ればF1に乗せてもらえる。除外はされにくいけど、サポートは冷たいと聞いているので、自分はレッドブル・ジュニアでよかったと思いました」
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