ダニール・クビアトが、アルファタウリ・ホンダ、そして、2020年のF1世界選手権について語った。ダニール・クビアトの2019年シーズンのスクーデリア・トロ・ロッソ(現スクーデリア・アルファタウリ)でのF1復帰は大成功となり、イタリアに拠点を置くこのチームでの3回目の挑戦でクビアトは自分とチームをネクストレベルへ高めた。
2020シーズンに向けて準備を進めるダニール・クビアトが、新サーキットやスクーデリア・アルファタウリに改称した新チームへの思いなどについて語った。2020シーズンの目標2019シーズンはスクーデリア・トロ・ロッソにとってビッグイヤーとなったが、25歳のロシア人ドライバーにとってはさらに大きな1年だったと言えるだろう。ホンダとのパートナーシップで強力なパワーユニットを手にしたチームがSTR14を順調に熟成させ、パワーアップしたエンジンの効果で両ドライバーのポジションが順当に上がっていくと、クビアトは第11戦ドイツGPで3位表彰台を記録してチームに11年ぶりの表彰台をプレゼントした。しかも、その前日には父親にもなった。このような素晴らしいシーズンを経験したクビアトは2020シーズンにどのような目標を設定しているのだろうか?「人間は日々成長できる。だから僕もドライバーとして毎日成長しようとしている。2020シーズンはチームを好位置につけるためにできるだけ多くのレースで良いリザルトを持ち帰るようにしたい」「2019シーズンは素晴らしい1年だった。トップ10フィニッシュを10回記録してホッケンハイム(ドイツGP)では表彰台に上がれたから、記憶に残る1年だったね。でも、もちろん成長できる余地はある。具体的な目標は特に設定していない。自分がやっているすべてをさらに成長させることだけを考えている」クビアトが2019シーズンを上回る成長を見せれば、2020シーズンも素晴らしい1年になるだろう。しかし、チームは目標をどこに設定しているのだろうか? トップ5を狙っているのだろうか?「誰だって前年を上回りたい。中団争いはタイトだし、どのチームがどれだけ成長しているのかがまだ分かっていないから予想するのは難しいけれど、僕たちは中団をリードする存在になりたいと思っている。すべてのレースで最高のパフォーマンスを目指せば、再び強力なシーズンを送れると思う」新たなチャレンジ2020シーズンは新たなチャレンジが数多く立ちはだかる。“スクーデリア・アルファタウリ” として新たなスタートを切るチームは22戦を戦わなければならず、そのタイトなスケジュールには7週連続GPも含まれている。クビアトは波乱が予想される2020シーズンをどのように受け止めているのだろうか?「ファンとドライバーにとってエキサイティングなシーズンになると思う。上位と中団の両方でドライバー間の実力差がなくなってきているし、色々なドラマが起きるレースがいくつか楽しめるだろうね」「この流れが続くことを願っているよ。混戦が続けばそれだけ僕たちがビッグリザルトを得られるチャンスが増えるからさ。F1史上最長のシーズンをみんながどうやって乗り切るのかを見守っていきたい」F1史上最長シーズンと同じくらいエキサイティングなトピックが、新たに追加された2レース(オランダGPとベトナムGP)だ。オランダGPについては、クビアトはザントフォールト・サーキットをフォーミュラ・ルノー2.0時代に走った経験があり、フォーミュラ3時代には優勝もしているため、彼にとって相性の良いレースになることが予想されている。一方、ベトナムGPについては、クビアトは次のようにコメントしている。「ベトナムGPは非常に興味深いコースレイアウトになりそうだ。バクー市街地コースに似たコースになるんじゃないかな。市街地コースは色々なことが起きるから楽しいレースになるはずさ」2020シーズンの変化を語るためには、新チーム名と新マシンに触れないわけにはいかない。この2つの大きな変化をクビアトはどのように感じているのだろうか?「F1ドライバーとして6シーズン目を迎えられることを嬉しく思っているよ。チーム名に関しては、チームの核は変わっていないし、僕たちにほとんど影響はない」「新しいチーム名とルックスを備えている新マシンAT01はSTR14をさらに進化させたマシンだけど、すでに機能しているよ。このマシンからスタートして徐々に進化しながらできる限り前へ進みたいと思っている」クビアトの現在地クビアトは2020シーズンでさらなる成功を目指しているが、この25歳のロシア人ドライバーは自分の現状をどのように評価しているのだろうか? キャリアベストを迎えつつあると感じているのだろうか? 本人は次のように回答している。「キャリアベストを迎えられるようにハードワークを重ねているところだよ。毎年自分が成長できる部分を見つけて取り組んでいる。常に進化しているんだ。2019シーズンは僕にとって素晴らしい1年だった。個人的な発見が色々あった。何が機能して何が機能しないのかを把握できた」「パフォーマンスに関して言えば、与えられたマシンからベストを引き出せていると思うし、何も不満はないけれど、キャリアベストなのかどうかは自分では判断できない。ドライバーとして成長しながら、できる限り多くの良いリザルトを得るようにしたい」さらに上を目指すクビアトにとって、ピエール・ガスリーが引き続きチームメイトになることはプラスに働くはずだが、モータースポーツには「チームメイトが最初のライバル」という不文律が存在する。2人の関係はどうなのだろうか? クビアトは次のように回答してインタビューを締め括っている。「2019シーズンはアルボンとガスリーがチームメイトだったけれど、2人とも競争心が強かったし、スピードもあった。ピエールは負けん気が強くてスピードに自信を持っているから、僕たちは接戦を繰り広げることになると思うよ」