2026年F1中国GPは、キミ・アントネッリの初優勝、ルイス・ハミルトンのフェラーリ初表彰台、そして各所で繰り広げられた激しいバトルなど、多くの見どころにあふれた週末となった。2026年最初のスプリント開催週でもあった上海では、勢いを手にした者がいた一方で、厳しい現実を突きつけられた者もいた。F1公式サイトのローレンス・バレットは、そんな中国GPを通して際立った「勝者6人」と「敗者5人」を選出した。
■勝者:キミ・アントネッリが初優勝で最大の勝者にキミ・アントネッリには称賛を送るべきだ。スタートに苦しみ、集団に飲み込まれた悔しいスプリントのあと、イタリア人ルーキーはすぐに立て直し、グランプリのポールポジションを獲得した史上最年少ドライバーとなった。アントネッリは、ルイス・ハミルトンからの強いプレッシャーにも見事に対応し、終盤にはロックアップとコースオフもありながら、数周を残して踏みとどまり、自身初のグランプリ優勝をつかんだ。アントネッリは、2016年のマックス・フェルスタッペンに続いて史上2人目のティーンエイジャー優勝者となり、さらにイタリア人としては2006年マレーシアGPのジャンカルロ・フィジケラ以来となる優勝者となった。もちろん、今季はまだ先が長い。それでも、非常に経験豊富なチームメイト、ジョージ・ラッセルに対して先んじたことは、タイトル争いに向けても非常に明るい材料だ。■敗者:マクラーレンは2台ともスタートできず痛恨スタート前に1台を失うだけでも痛手だが、2台とも失うとなれば胸に突き刺さる短剣のようなものだ。中国でマクラーレンが味わったのは、まさにそのような週末だった。ランド・ノリスとオスカー・ピアストリは、それぞれ異なる電気系トラブルによって出走できなかった。マクラーレンが2台ともスタートできなかったのは、2005年のインディアナポリス以来初めてのことだった。特にピアストリにとっては苛立たしい展開だった。彼は前戦オーストラリアでグリッドへ向かう途中にクラッシュしており、今季ここまでグランプリ本戦でまだ一度もスタートを切れていない。ディフェンディングチャンピオンのマクラーレンは、すでに厳しい立場に置かれていることを理解している。昨年、両タイトルを巡る戦いにシーズンを通して注力した影響もあり、2026年型プロジェクトでは他チームほど進んでいなかった面があり、シャシー開発の遅れに苦しんでいる。また、メルセデス製パワーユニットの力を最大限に引き出す方法もまだ見つけられていない。次戦日本GPまでに、やるべきことは山積みだ。■勝者:ルイス・ハミルトンはフェラーリで初表彰台ルイス・ハミルトンは上海インターナショナル・サーキットを愛している。そして今の彼は、自らに与えられているフェラーリも気に入っている。その結果、コース上では2010年代後半の黄金期を思わせるような走りを見せた。7度のワールドチャンピオンは週末を通してメルセデス勢にとって脅威となり、グランプリでは首位も奪い、先頭でレースを引っ張る時間をしっかりと楽しんだ。フェラーリのチームメイトであるシャルル・ルクレールとのバトルも見事で、それを制したハミルトンは、フェラーリでの26回目のレースウイークにして初のグランプリ表彰台を獲得した。中国での表彰台はこれが10回目となった。■敗者:アウディは惜しくも連続入賞を逃すアウディは、2戦連続ポイント獲得にあと一歩まで迫っていた。だが、ニコ・ヒュルケンベルグのピットストップでホイールガンのトラブルが発生し、16秒を失ったことで争いから脱落し、11位でフィニッシュすることになった。レースでアウディの代表となったのはヒュルケンベルグだけだった。ガブリエル・ボルトレトは、まだ原因が特定されていない技術的問題によってスタートできなかったからだ。アウディがグランプリ本戦で1台体制になったのは、これで2戦連続となった。また、ヒュルケンベルグが消灯後の発進で苦しんだことも、スタート改善に向けて多くの課題が残っていることを示している。■勝者:オリバー・ベアマンは今季100%得点を継続オリバー・ベアマンの2026年シーズン100%得点記録は、中国でも見事に続いた。土曜のスプリントで激しい戦いの末に1ポイントを獲得すると、グランプリでは驚きの5位フィニッシュを果たした。その内容はなおさら印象的だった。10番グリッドからスタートしながら、スピンしたアイザック・ハジャーを避けるための回避行動で12番手まで後退したが、そこから再び集団をかき分け、セーフティカー中のピットストップも生かしてポイント圏内へ戻ってきた。これはハースF1チームにとって、中国で2年連続の5位だった。昨年はチームメイトのエステバン・オコンがそれを成し遂げている。ベアマンはこれでドライバーズランキング5位につけ、17ポイントを獲得。これは昨年の総得点のほぼ半分に相当する。■敗者:エステバン・オコンは初ポイントを逃すハースF1チームの片方が歓喜に包まれる一方で、もう片方は取りこぼしたチャンスを悔やむことになった。エステバン・オコンは今季初ポイントを目前にしながら、それを痛ましい形で逃した。オコンは懸命な走りでトップ10圏内に入っていたが、タイミングの悪いセーフティカーと、フランコ・コラピントへの無理な動きが大きく響いた。オコン自身も、この接触について責任とペナルティを受け入れている。その結果、わずか2戦を終えた時点で、経験の浅いチームメイトにすでに17ポイント差をつけられることになった。■勝者:リアム・ローソンはレーシングブルズで存在感1年前、リアム・ローソンはレッドブル・レーシングで結果的に自身2回目にして最後となったグランプリ週末を終えたが、その時点でポイントはひとつもなかった。だが、現在は違う。2026年シーズン開幕から2戦連続でポイントを獲得し、所属するレーシングブルズに2戦連続トップ8フィニッシュをもたらしている。しかも、中国GPで7位に入ったことで、2026年にレッドブル・レーシングへ昇格したアイザック・ハジャーを1つ上回る順位でフィニッシュした。この結果は、ローソンにとってなおさら価値のあるものになったはずだ。■敗者:アストンマーティンは苦境脱出の糸口見えずアストンマーティンにとっては、またしても厳しい週末となった。チームはエンジンパートナーのホンダとともに、シーズン序盤の苦しい状況からパフォーマンスを取り戻すため、あらゆる手を尽くしている。フェルナンド・アロンソは振動による不快感のためマシンをリタイアさせることを余儀なくされた。本人によれば、その...