アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)が2026年F1中国GP決勝で初優勝を飾った。ジョージ・ラッセルが2位に入り、メルセデスはワンツーフィニッシュを達成。ルイス・ハミルトンはフェラーリ移籍後初のグランプリ表彰台となる3位を獲得した。前日の予選で史上最年少ポールシッターとなったアントネッリは、スタート直後にハミルトンに先行を許したものの、2周目の終盤までに首位を奪還。
その後は唯一のセーフティカー導入時のピットもまとめ、終盤のロックアップを乗り切ってトップチェッカーを受けた。これにより、アントネッリはF1史上2番目の若さでグランプリウイナーとなった。メルセデスが中国で盤石の速さを発揮した一方、フェラーリはハミルトンとシャルル・ルクレールが表彰台を争う激しいチーム内バトルを展開した。さらにTGRハースF1チームのオリバー・ベアマンが5位に入り、アルピーヌ、レーシングブルズ、ウィリアムズも入賞。対照的にマクラーレンはランド・ノリス、オスカー・ピアストリの2台が電気系トラブルでスタートできず、厳しい一日となった。アントネッリは一度失った首位をすぐに奪い返す56周の決勝は、スタート前から波乱だった。ノリスはグリッドにすら到達できず、ピアストリもフォーメーションラップ前にピットへ戻された。チームは両車のパワーユニット側にそれぞれ別の電気系トラブルがあったと説明した。さらにガブリエル・ボルトレト(アウディ)は油圧系トラブルで出走できず、アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)もサスペンション交換後にピットレーンスタート予定だったが、結局レースを開始できなかった。スタートではポールのアントネッリがラッセルをけん制する動きを見せたことで左側にスペースが生まれ、3番グリッドのハミルトンがその外側から首位に浮上した。ルクレールもラッセルの前に出てアントネッリの外側をうかがったが、3コーナーで縁石側に追いやられ後退した。しかしハミルトンのリードは長く続かなかった。アントネッリは14コーナーのヘアピンで再逆転し、そのまま一気にギャップを築いて主導権を握った。ラッセルもすぐに盛り返し、3周目序盤にルクレール、さらに2周後にはハミルトンをかわして2番手争いに復帰した。セーフティカーで隊列が変わり、フェラーリ同士の争いが激化10周目終わりにリアム・ローソン、マックス・フェルスタッペン、カルロス・サインツJr.が先にピットへ向かうと、直後にランス・ストロール(アストンマーティン)が1コーナーでマシンを止め、唯一のセーフティカーが導入された。上位勢はここでミディアムからハードへ交換。アントネッリは首位を維持してコースに戻ったが、ハードスタートでステイアウトしたフランコ・コラピントとエステバン・オコンが一時的に前に残る展開となった。再スタートではラッセルがタイヤに熱を入れきれず、6コーナーでわずかに膨らんでハミルトンに先行を許す。その間にルクレールも前に出て、アントネッリの背後はフェラーリ2台、ラッセルという並びに変わった。この後、フェラーリ同士の争いがレースの大きな見どころとなった。24周目、ルクレールが14コーナー進入で2番手に上がると、その後数周にわたり両者はオープニングセクションや9~10コーナーで何度もポジションを争った。2台が競り合う間に、アントネッリは前方で貴重なリードを拡大した。ラッセルは最終的にフェラーリ2台をともに攻略し、再び2番手へ浮上。以後は単独でアントネッリを追ったが、終盤はタイヤ摩耗にも苦しみ、決定打は打てなかった。ベアマン5位、各チームが明暗分かれる5位にはTGRハースF1チームのオリバー・ベアマンが入った。オープニングラップでは13コーナーでアイザック・ハジャーがスピンした影響を受け、回避行動を強いられたが、その後は力強くばん回してベスト・オブ・ザ・レストを手にした。6位はピエール・ガスリー、7位と8位にはレーシングブルズのローソンとハジャーが続いた。9位サインツJr.はウィリアムズに今季初ポイントをもたらし、コラピントが10位で最後の入賞圏を確保した。ニコ・ヒュルケンベルグは11位でポイントに届かず、アービッド・リンドブラッドは14コーナーでの単独スピンもあり12位だった。バルテリ・ボッタスとセルジオ・ペレスのキャデラック勢も完走したが、ペレスはオープニングラップ3コーナーでチームメイトとの接触によりスピン。オコンはコラピントとの接触で10秒加算ペナルティを受け、終盤にペレスを抜いて14位で終えた。一方でフェルスタッペンはレッドブル・レーシングのトラブルにより残り10周でリタイア。アストンマーティンはストロールとフェルナンド・アロンソの2台がともにリタイアし、チームにとって厳しい結果となった。中国で歴史を刻んだアントネッリ終盤、アントネッリは14コーナーでロックアップする場面もあったが、最後まで大きく崩れることなく走り切った。チェッカー時点でラッセルとの差は5.515秒。ハミルトンはトップから25秒あまり遅れて3位に入ったものの、ルクレールに3秒以上の差をつけてフェラーリでの初グランプリ表彰台を確保した。史上最年少ポールに続く初優勝で、アントネッリは中国で一気に新時代の主役へと躍り出た。メルセデスにとってもラッセルとのワンツーは、2026年F1シーズン序盤の強さを強く印象づける結果となった。「言葉が出ない。正直、泣きそうだ。チームのみんなに本当に感謝している。彼らがこの夢をかなえる手助けをしてくれた」とアントネッリは語った。「本当にうれしい。昨日、イタリアを再び頂点に戻したいと言ったけれど、今日それを実現できた。終盤にフラットスポットを作って自分で少しヒヤッとしたけれど、いいレースだった」2026年F1中国GP 決勝 結果1.アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)2.ジョージ・ラッセル(メルセデス)3.ルイス・ハミルトン(フェラーリ)4.シャルル・ルクレール(フェラーリ)5.オリバー・ベアマン(ハース)6.ピエール・ガスリー(アルピーヌ)7.リアム・ローソン(レーシングブルズ)8.アイザック・ハジャー(レッドブル)9.カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ)10.フランコ・コラピント(アルピーヌ)11.ニコ・ヒュルケンベルグ(アウディ)12.アービッド・リンドブラッド(レーシングブルズ)13.バルテリ・ボッタス(キャデラック)14.セルジオ・ペレス(キャデラック)15.エステバン・オコン(ハース)DNF.マックス・フェルスタッペン(レッドブル)DNF.フェルナンド・アロンソ(アストンマーテ...