シャルル・ルクレールは、2026年シーズンから導入される新たなF1マシンに対して懸念を示し、「今までに乗った中で一番楽しくないマシンかもしれない」と語った。このコメントは、フェラーリのマラネロ本拠地で来季マシンの開発にどれだけの時間を費やしているのかと尋ねられた際に明かされたもの。
ルクレールは、シミュレーターでの作業時間の半分を2025年型マシンに、もう半分を2026年型マシンに割いていると述べた。F1は2026年に過去最大級のレギュレーション変更を迎えることになっている。今季、フェラーリはパフォーマンスに苦戦しており、ルクレールはドライバーズランキング5位。首位のオスカー・ピアストリとは94ポイント差をつけられている。ルクレールは2026年型の開発状況について次のように語った。「来年は本当に重要になる。今季はシーズン終盤までに予定されていることがいくつかあるけど、来年はすべてが新しくなるから、しっかりと準備しておく必要がある。だから今、そのための作業に取り組んでいる。来年をいい形でスタートするのは本当に重要なんだ」さらに突っ込んで尋ねられると、ルクレールはこう続けた。「正直に言うと、今までドライブした中ではあまり楽しいマシンじゃないかな。でも、まだプロジェクトとしては初期段階にある状態だからね」「これから数カ月でかなり進化していくことを願っている。ただ、来年のレギュレーションが今よりも...ドライバーにとってはおそらくあまり楽しいものではなくなるというのは、たぶん秘密でもなんでもないと思う」「今のところはあまり好きじゃないけど、それが現実なんだ。チャレンジはあるし、今とはまったく違うクルマを最大限に活かすという挑戦にはやりがいを感じている。でも楽しいかと聞かれたら、たぶんそうじゃない」さらに、2026年型マシンに対する“楽しさの欠如”が、ダウンフォース不足によるものか、それともエネルギー回生(ハーベスティング)の必要性によるものかを問われると、ルクレールは次のように答えた。「両方だと思う。でも、たぶん後者(ハーベスティングの方)がより大きいかな」「とにかく、ちょっと奇妙なんだ。まだ、2026年のレースがどんなふうに見えるのか、どうやってオーバーテイクが行われるのか、イメージが湧かない」「だからこれは、FIAを含めて関係者がすでに認識していることだと思うし、きっとこれから取り組むべき課題だとも思う。とはいえ、今後どれだけ変わるかはまだ分からないね」一方でチームメイトのルイス・ハミルトンは、フェラーリ加入後の序盤戦での苦戦についてたびたび不満を述べており、ルクレールとの差はさらに25ポイントに開いている。しかしルクレールは、ドライビングスタイルの違いがあるものの、ハミルトンと協力してチームの問題を解決できると自信を見せている。「心配はしていない。ドライビングスタイルの違いはチーム外ではよく話題になるけど、チーム内ではクルマを自分のスタイルに合わせていくためのツールはすべてそろっている」「それが問題だとは思っていないし、僕はただ速いクルマがほしいだけなんだ。ルイスもまったく同じ気持ちだと思うよ。あとは来年どんなマシンになるかによって、僕は自分好みにセットアップするし、ルイスも同じようにするはずだ」「本当に心配はしていない。今のF1は技術も進んでいるし、エンジニアたちも優秀だから、僕たちはただ速いクルマを用意すればいい。今はセットアップの自由度もあるし、昔みたいにマシンバランスの問題で行き詰まるようなことはない。だから全然問題ないと思っている」